宗谷岬でタコしゃぶplease!(その58;みたび餘部鉄橋)
▲ずらりと並んだグリーン車シート。
2009年9月10日、グリーン車に一人。
さて、いよいよ4D特急「はまかぜ4号」の2号車、グリーン車に乗り込みます。昔ながらの字体で「グリーン車」と書かれたドアを開けてデッキから車内へ入ると、おお!2×2列のグリーン車シートが端から端までずらりと並んでいます。普段は「つがる」や「(スーパー)白鳥」「いなほ」などの半室グリーン席ばかりを見慣れているので、この「ずらり感」はなかなか快感です。シートは、昔ながらと言いますか年代物と言いますか、背もたれの大きな白いぱりぱりの布カバー、肘掛けにも布カバーは貫禄です。肘掛けに付いた小さなテーブルや隣席との仕切りになる肘掛けがないのなんかはかなりレトロです。ただ、僕のイメージではグリーン車のシートはワインレッドというかエンジ色のモケットなんですが、「はまかぜ」のシートは濃いグレーでした。
グリーン車には僕以外誰も乗らないまま「はまかぜ4号」は浜坂駅を発車しました。目にしみるような濃い緑を車窓に映しながら、「はまかぜ4号」はキハ181系の心地よいエンジン音を響かせながら、昼過ぎのけだるい夏を走ります。
いいねえ、このシート。
濃緑の季節を行く。
この日3度目の餘部鉄橋にさしかかりました。僕は将来再びここを通ることがあるかどうかわからないので(少なくとも旧橋梁を渡りながらという意味で)、見納めのつもりで車窓に目をこらします。あいかわらずのピーカンの青空の下に、さらに青い日本海、そして餘部の集落がくっきりと眺められます。真下を走る国道178号線には走る車の姿がありません。残暑厳しい夏の昼下がり、ひねもすのたりのたりするのは春の海ですが、夏はみんながのたりのたりのようです。
この日3度目の餘部鉄橋へ。
まだまだ盛夏の昼下がり。
餘部鉄橋を渡り終えてしばらく行くと、つい1時間ほど前までそのホームに立っていた鎧駅を通過します。某サイトによれば、海側のホームに入る線路は今は使われなくなり全列車が山側ホームの線路を使うことになっているが、今でも海側が上り本線、山側が下り本線という扱いになっているので、上り「はまかぜ」が通過時に山側、つまり下り本線を通るということは、下り本線への逆線入線になることから運転停車をすることになっているとのことです。ということは、僕が乗ったこのときも「はまかぜ4号」は短時間停車したのでしょうか。記憶がありません。でも駅名標をカメラに収められたということは、停車したか、少なくともすごく徐行したんでしょうね。
鎧駅を通過します。
ところで「はまかぜ4号」には浜坂から車内販売が乗車しています。駅弁も扱っているようなので、先ほど浜坂駅でしょぼいコンビニ弁当を食べただけの僕としては、ここはやはり駅弁購入でしょう。駅の売店には駅弁はなかったような気がするので、こういうときに車内販売は重宝します。熱いコーヒーも飲めるし。採算の問題はありましょうが、せめて特急には車内販売はぜひ乗務していただきたいと思います。
というわけで購入したのは豊岡市「たで川」の「かにずし」。お、この包装、見たことあるな。以前食べたことがあるかもしれない。但馬産コシヒカリに甘酢に漬けたカニがたっぷり。添えてあるのは奈良漬けと塩昆布。シンプルでいいじゃないですか。カニはほぐしたのがごはんの上にびっしり載って、その上に足肉がさらに3本ぽんぽんぽんと、十分な量です。「はまかぜ」のグリーン車で名物の「かにめし」、なんかなんかゼイタクじゃないですか?(^^)
豊岡「たで川」のかにずし。
▲車内販売があるってのはいいもんですね。車内でこんなにカニがたっぷりの駅弁が食べられるんだもの。