毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

上から下までひたすら棚田。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818205822.jpg甘粛省南部の海抜2,500m前後の一帯に広がる棚田、棚田、また棚田。

 2010年5月10日、蘭州から南へ。

 蘭州空港から、前回1998年に来たときにはまだ存在しなかった立派な空港アクセス高速道路を飛ばしていったん蘭州市内に入り、軽くランチを食べました。蘭州は町の中を黄河が流れており、しかもまだ黄色になっていない黄河が見られるというのが特徴です。

 ランチのあとは、蘭州を出発して甘粛省南部の合作市を目指します。途中まで高速道路がありますが、それを下りて臨夏市へ入っていきますと、知らず知らず海抜が上がり、海抜2,500m内外を走るようになります。

 そして広がるのが、この風景です。

 一帯に平地はほとんどありません。平地がほとんどないがゆえに、背の高い木はほとんど生えていない山の斜面という斜面を開墾して棚田にしてしまっているのです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818205808.jpg 果てしない棚田また棚田。

 てっぺんの棚田から谷底のいちばん下の棚田までかなりの標高差がありそうです。しかも一枚一枚の棚田は小さくて形もまちまちなので、農業の機械化もあまり進めることができず、上ったり下りたりしながらひたすら人力で耕作しなければならないので、農民の負担はたいへん大きいです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818205831.jpg 下まで下りるのたいへんだ。

 車が走る道路は、この棚田地帯のいちばんいちばん高いところの尾根に沿って走っています。道路沿いに時々民家が建っていますが、道の両側や民家の裏はすぐにもう急斜面が下っていて、しかもその道はくねくねと曲がっているのでなんとなく危うい感じもします。しかし、高みから見下ろす壮大な棚田の風景は、気持ちよく広がった青空のせいもあってかすかーーっと爽快な気分になります。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818205814.jpg どこまで棚田が続くのか。

 地理学的にどのような経緯をたどるとこのような地形が生じるのかはわかりませんが、標高2,500m前後の棚田もそろそろ春を迎えようとしているようです。棚田そのものはこれから種まきなのかまだ土が剥き出しになっていたり、水分蒸発防止用のビニールシートがかぶせられたりしていますが、その周囲の畔道や街路樹は新緑が芽吹きつつあって、ところどころに広がる緑色が目に新鮮です。

 こんな道をひたすらひたすら走り続けると、やがて臨夏市と甘南チベット族自治州との境界にようやくたどりつきます。ここまで蘭州から200km弱ぐらいでしょうか。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818205826.jpg ▲まだ種まきは終わっていないみたい。上から下まで行き来するのにどれぐらいかかるんだろう。