宗谷岬でタコしゃぶplease!(その54;「なんでだろう、涙がでた。」)
▲1日何本バスが来るのかなあ。
2009年9月10日、たった15分。
遮るもののない高台の上にある鎧駅の海側ホームに、まだ夏の盛りの厳しい日差しが照りつけます。「宗谷岬でタコしゃぶplease!」という書庫に入っているのにまったく関係のない場所の記事はまだ続きます。宗谷岬のあの肌寒いほどの涼しさが嘘のようです。
鎧駅の海側ホームから山側のホームと駅舎を望めば、その背景にはやっぱり深く濃い緑の山が迫ってきいています。
海側から山側を望む。
駅舎はなんの変哲も風情もないコンクリート造りの四角い箱形駅舎。駅開業は1912年3月1日と古いですが、歴代の駅舎の面影はどこにもなく、ちょっとそっけなさすぎる気もします。もちろん無人駅です。その駅舎の前には全但バスの「鎧駅」バス停もあります。1日に何本バスがやってくるのか、ちょっとチェックしそびれました。
箱形駅舎。
一文字の駅名は珍しい?
それにしてものどかです。このままのんびり海側のホームの木のベンチに座って缶ビールでも飲みながら日が暮れるまで海を眺めて過ごしたいです。
しかし、鎧駅滞在わずか15分、もう下り列車がやってきました。12:41発の城崎温泉からの浜坂行き普通列車171Dです。播但線カラーのキハ47に再び乗車します。鎧駅で降りて駅散策や撮影をしていた他の数人の旅行客もこれに乗り込みます。
浜坂行き171Dが来た。
車内に並ぶボックスはそこそこに埋まっています。ほとんどが旅行客のようですね。城崎温泉を楽しんでから餘部鉄橋を訪れようという人々でしょうか。念願かなって訪れることができた鎧駅が運転席の窓の向こうで遠ざかっていきます。駅舎が風情がないのはまあしかたがないとして(^_^ゝ、開業以来100年近くこの小さな入り江を見下ろし続けてきた小さな駅のこの風景は、きっと今も少しも変わっていないのでしょう。夕暮れ時に来たらもっとすてきだったろうな。鎧駅でロケされた青春18きっぷのポスターのコピー「なんでだろう、涙がでた。」。どうしよう、ほんとに涙が出そうだよ。
鎧駅が遠ざかる。
▲浜坂行き普通列車171Dの車内は旅行客でそこそこの乗車率。