2010春・新疆に行きたい心境(その12;旗振れど動かず)
2010年3月10日、オアシス駅で交換待ち。
待つことしばし、こちらと同じクリーム色とエンジ色に塗り分けられたディーゼル機関車「東風4D」型のDF4D-0560号機に牽かれて、7557次列車が入ってきました。
下り列車到着。
機関車の後ろに続く客車は、なんと二階建て車輌!前後二ヶ所に折り戸の扉があり、車端部も平屋になることなく車輌全体が端から端まで二階建てになっています。塗装も中国の列車にしてはなかなかカラフルで、窓回りと裾の部分が水色で、その上下に赤いラインが入っています。いや、そういう車輌があることは以前から知っていましたが、こうして間近に見るのは初めてかも。
この二階建て車輌の形式は「SYZ」といいます。「双層硬座(Shuangceng Ying Zuo)」の頭文字をとったものですね。「硬座」車ですから、普通座席車です。日本の新幹線MAXなんかより上背がありそうなので、一階も二階も天井には余裕がありそうです。いや、僕が乗っている7558次列車のほうも普通座席車は全部この二階建て車輌なので見に行けばいいのですが、なにしろ僕は「硬臥」車(寝台車)に乗っていて、寝っ転がって楽をしているので、見に行く気になれません(^^ゞ。
車端部まで総二階建て。
こちらの7558次列車はもともと13:47着、13:49発のダイヤですが、下り列車の到着が遅れたので遅れが出始めました。カシュガル行きの7557次列車のほうが先に発車し、それからこちらの番です。ホームから駅員が出てきて線路の脇に立ち、緑の旗を振って発車合図を送ります。
………全然発車しません。
駅員さんはまた旗を振ります。ガンガン振ります。
……全然発車しません。
駅員さんは「なんで発車しないんだ」という顔をしています。そしてまた緑の旗を振ります。ぶるんぶるん振ります。
やがて7558次列車は、駅員さんの振る旗の合図とは無関係に、のっそりと動き始めました。いったい何が起きたのかさっぱりわかりませんが、旗を振れども振れども動かなかった列車は何を合図に発車したのか、彼の駅員としての面目は丸つぶれです。いかにも不満そうな彼の顔を尻目に、金銀川駅を発車です。
発車ぁ!
発車だっつの。
お願い、発車しておくれーー。
▲「どうして発車してくれないんだ」と不満顔の駅員さんを尻目に、ゆっくりと動き始めました。