毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

2010春・新疆に行きたい心境(その10;まだ真っ暗な朝8時13分)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818205100.jpg ▲機関車の連結が済み、発車を待つばかりになったウルムチ行き7558/7555次列車。

 2010年3月10日、朝のカシュガル駅。

 カシュガル出発の朝になりました。まだ暗いうちにホテルを出て、車でカシュガル駅へ向かいます。これから乗るのは08:13発のウルムチ行き7558/7555次列車。カシュガルから1日2本しかない列車のうちの1本で、各駅停車です。

 7時半ちょっと前に駅に着きましたが、駅舎の入口では厳しいセキュリティチェックが行われています。2列に並んで、まず切符を見せて駅舎の中に入ると、駅舎の中も長蛇の列。X線による荷物チェックが行われていて、一人一人身分証(外国人はパスポート)の提示を求められて身分チェックも厳しく行われます。まるで飛行機に乗るのと同じです。このセキュリティチェックをくぐり抜けるとようやく待合室。薄暗い電灯の下で改札が始まるのを待ちます。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818205028.jpg カシュガル駅の待合室。

 7時50分頃だったでしょうか、改札が始まりました。みんな一斉に立ち上がって改札口へ殺到です。やっとの思い出改札を抜けると、電灯の少ないホームはまだ真っ暗。それもそのはずです。時間はもう朝8時になろうとしていますが、これは北京時間。新疆時間ではまだ6時にもなっていないのだから、夜が明けていないのも当然です。でも、列車は北京時間で運行されるので、新疆時間だけ見ていると乗り遅れてしまいます。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818205033.jpg 真っ暗な中に駅名標

 改札口から続く広いホームに列車が入っています。真っ暗なので、車窓から漏れる車内の蛍光灯の明かりだけが並んでいます。びっくりしたのは、車輌のほとんどが二階建て車輌で、まるでMAXのようです。この二階建て車輌については、夜が明けてからの記事で詳しくご紹介することになるでしょう。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818205040.jpg 窓の灯りがホームに漏れる。

 この列車は前夜20:05に到着した7556/7557次列車の折り返しのはずですが、機関車の付け替えが行われているようです。夜の間はホームには停泊せずにどこか側線のほうにひきあげているのかもしれません。

 ホームの一本向こうの側線を機関車が右から左へと移動していき、それがやがてこちらにゆっくりと戻ってきます。強烈なヘッドライトが3つ、地響きのようなディーゼル音とともに徐々に近づいてきます。夜明け前のホームはかなり冷え込んでいて、黙って立って待っているとこごえそうになります。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818205046.jpg 機関車が近づいてきた。

 作業員の誘導で、連結は実にスムース。少しも客車のほうを揺らさずに機関車が連結されると、出発準備は完了です。この日の牽引機は、クリーム色とエンジ色に塗り分けられた「東風4D」型ディーゼル機関車の「DF4D-0418」。中国で最もポピュラーな機関車「東風4型」系列の一つで、中国では全国で見かけることができますが、南疆線開通でカシュガルにまで顔を出すようになっていたのですね。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818205056.jpg ▲緑色の客車にがっちり連結されて出発準備完了。