毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

2010春・新疆に行きたい心境(その9;カシュガル駅)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818205005.jpg ▲中国鉄路南疆線の終点・カシュガル駅。

 2010年3月8日、停電のカシュガル駅。

 アパク・ホージャ墳とユスプ・ハス・ハジプ墳を見学したあとは、カシュガル駅を見に行きました。カシュガル駅からは翌朝の列車に乗ることになっているのですが、たぶんまだ真っ暗だと思うので、明るいうちに駅を見ておきたいと思ったのです。

 カシュガル駅は南疆線の終点駅。南疆線はトルファンカシュガルを結ぶ全長1,446kmの鉄道線で、トルファン~コルラ間は1984年に開通しましたが、そこから先が開通したのは1999年のことであります。ウルムチからだと1,558km。シルクロード天山南路に沿って天山山脈の南麓、タクラマカン砂漠の北縁をひたすら西へ西へと走ってたどり着くのがここカシュガル

 駅は10年前にできたばかりなので外観はなかなかモダンです。そして中国の建物はなんでもそうですが、無用に大きい。1日2本しか列車が来ないのに駅舎だけは大きくて立派です。カシュガル駅から出る列車は1日2本。08:13発のウルムチ行き7558/7555次列車と14:55発のウルムチ行きK9788/K9785次列車。到着する列車は13:25着のK9786/K9787次列車と20:05着の7556/7557次列車です。

 駅舎に向かって左側に切符売り場が隣接しています。中をのぞいてみようと思ったら、入口の扉にウイグル語と漢語で「停電のため切符売れません」の張り紙が。中に入ると、停電が終わって窓口が開くのを待つ人々の行列ができていました。停電はいつ終わるのでしょう。ま、この日はもう列車はないからあせることはないんでしょうけれど。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818205012.jpg 停電で切符売れない。

 カシュガルの郊外に新しく建てられた駅ということで、周辺には何もありません。駅前はだだだだっぴろい広場になっていて、その端っこのほうにこぢんまりと路線バスの発着所や売店などがあるようですが、駅舎前から見渡すと小さくてよく見えないほどです。カシュガルまで鉄道が通って10年、これから列車本数が増えて、駅周辺は発展していくのでしょうか、それとも今のまま広々と閑散とのんびりと在り続けるのでしょうか。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818205018.jpg カシュガル駅前、広すぎ。

 カシュガル駅から市内に戻り、まだ明るかったので人民広場に行ってみました。人民広場と人民公園があるあたりがカシュガルという街の中心地で、いちばんの繁華街もこのあたりになるようです。我々が人民公園にたどり着いた頃には既に薄闇がただよい始めていましたが、まだまだ大勢の市民が凧揚げをしたり散歩をしたり、思い思いにのんびりと過ごしていました。

 少々びっくりするのは(全然驚くには当たらないのですが)、人民広場の人民東路をはさんだ向かい側には、毛沢東の巨像が立っていることです。中国国内各都市でも大きな毛沢東像が残っているところは少なくなってきていると聞いたことがありますが、カシュガルでは健在です。中国の五星紅旗毛沢東増を、カシュガルウイグル人たちはどんな目で眺めているのでしょう。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818205024.jpg ▲中国の国旗と毛沢東像がある人民広場に夕闇が迫ってきました(また写真が傾いた。)。