毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

ひさびさ青荷温泉(その3;ランプに火が灯る)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818230446.jpg ▲午後4時にはランプに火が灯る青荷温泉。奥は本館宿泊棟。

 2010年3月28日、青荷温泉到着。

 僕がランプの宿・青荷温泉を訪れるのは今回が4回目で、このブログでもすでに2回ほど取り上げています。過去3回は1月か2月だったので、3月末の雪も溶けかけた季節に行くのは今回が初めてです。

 前夜に雪が降ったとは言え、春の気配は確実に青荷温泉にも訪れていて、雪が滑り落ちて土がむき出しになった斜面にはもうフキノトウが顔を出していました。ただ、ひと冬の間に降り積もった雪がまだ厚く残っているところもあり、本格的な春がやってくるにはもう少し時間がかかりそうです。

 そんな山道を送迎バスで走ること約20分、久しぶりの青荷温泉に到着です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818230452.jpg 渓流沿いの宿泊棟。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818230402.jpg 離れも何棟か。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818230415.jpg まだまだ雪深いところも。

 宿泊客が到着すると、番頭さん(?)を取り囲んで円陣を組み(笑)、説明会があります。ランプは絶対いじらないこと、寝るときはストーブを消すこと、布団は自分で敷くこと、食事は早く来ないとなくなってしまうかもしれないこと、部屋には外鍵はないこと等々。そしてそのあとに部屋割りです。部屋に外鍵はないので、番頭さんが「はい、○○さんは○号室です」と伝えるだけです。僕は青荷温泉に来るたびに、体育会系の合宿に来たような気になります。ここにはサービスらしいサービスはありません。なんでも自分でやり、部屋にはテレビも冷蔵庫もなく、携帯電話は圏外で、日が暮れてランプの灯りだけになれば暗くて読書もできません。余計なことは一切せず、余計なことは一切できない、これこそ青荷温泉の魅力です。したがって、ここへ来て「サービスが悪い」と文句を言うのは違うってもんです(^^)。宿のおやじの愛想が悪いのも含めて、余計なサービスをしないという「放置プレイ」がこの宿の魅力なんだと思います。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818230352.jpg 西日射す本館6畳間。

 部屋割りが済んで自分の部屋に落ち着き、お茶などすすっていると(お茶セットは部屋にある(^^))、ほどなくランプが配られます。本館宿泊棟から離れへ続く吊り橋の手前にある「ランプ小屋」で毎日大切に手入れされている大きなランプを、ランプ係のお兄さんが一つ一つ部屋に配って歩きます。この時期はもうだいぶ日が長くなってきたのでランプが配られるのはもっと暗くなってからかなと思っていたのですが、4時頃にはもう配られました。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818230409.jpg ランプ小屋です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818230358.jpg 階段上に吊られたランプ。

 さて、温泉に浸かりましょうか。青荷温泉には風呂場が4ヶ所あります。内風呂、健六の湯、滝見の湯、そして露天風呂。露天風呂だけ混浴ですが、夕方とお昼前の1時間ずつ女性専用タイムになります。ただ、露天風呂のお湯はまことにぬるいので冬に入るのはちょっと気がひけます。

 内風呂は本館宿泊棟の中にあり、健六の湯は本館正面玄関を出て向かい側、滝見の湯と露天風呂は本館宿泊棟裏口を出てランプ小屋の前を通り渓流にかかる小さい吊り橋を渡った先にあります。裏口からサンダルをつっかけて吊り橋を渡って風呂に行く、その風情がまたよろしいのであります。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818230432.jpg 滝見の湯入口。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818230423.jpg 露天風呂の入口。

 滝見の湯は、湯船に浸かりながら裏山を流れ落ちる滝が見えるので、入るなら明るいうちです。そこで、まずは滝見の湯から入りましょう。

 虹の湖公園14時発の送迎バスで到着したのは9人、うち男性は4人でしたから、僕が滝見の湯に行ったときには中には誰もおらず、滝を眺めながら温泉を独占です。あーーー、気持ちいいいいいい。極楽ぅぅぅ~。湯気が立ちこめる中にランプの灯りがちらちらと揺らめきます。まだ明るいのでランプの灯りは目立ちませんが、日が暮れるにしたがって灯りはこのランプだけになります。

 日本人は風呂好きといいますが、こんな温泉に浸かって風呂がキライなんていう日本がいたら顔が見てみたい!と思うほど、温泉は気持ちがいい。滝見の湯には、ぬるいですが小さい露天風呂もあり、曇ったガラス窓越ではなしに滝を眺めることもできますが、すぐに体が冷えてしまいます。やっぱり中に湯船にたっぷり浸かっていよう。風呂を出る頃には日も暮れかけていることでしょう。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818230441.jpg 滝見の湯のランプ。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818230437.jpg ▲湯気の立ちこめる滝見の湯。奥の窓から向こうに滝が眺められる。