麻婆豆腐レポート⑩(とうとう麻婆豆腐登場)
▲世界の車窓からっぽい?こういう写真も窓が開けばこそ。
2007年4月19日、広元→成都、N757次列車。
今日のこの記事、切りが悪くてすごく長いです。すんません。
のどかな昼下がりの広元駅のホームを歩いて、N757次列車の先頭に回ってみます。
牽引機関車は、やはり中国西南地区の雄、韶山3型電気機関車でした。……おや、ただの韶山3型ではありませんね。「韶山3B(SS3B)」型のようです。Bが付くとどう違うんだろ。まあいいや、これから成都までの319㎞をSS3B-5189機にお世話になります。
牽引機関車は、やはり中国西南地区の雄、韶山3型電気機関車でした。……おや、ただの韶山3型ではありませんね。「韶山3B(SS3B)」型のようです。Bが付くとどう違うんだろ。まあいいや、これから成都までの319㎞をSS3B-5189機にお世話になります。
「韶山3B」型SS3B-5189機関車。
機番プレートに年季を感じる。
初夏の陽気の広元駅構内。
しかし不思議なのは、各車両のドアの前に立っている車掌さんたち、全員どう見ても中学生ぐらいの少年にしか見えません。でもちゃんと鉄路局の車掌の制服と制帽を着ています。今度6月に中学を卒業して鉄路局へ就職する少年たちをさっそく研修乗務させているのかしら。それにしても子どもっぽすぎる!こんなんでスジ悪の乗客なんかがいたら対処できるのであろうか。N757次列車は空いているのでちょうどいい研修列車になるのかな。
さて、広元発成都経由重慶行きN757次列車の編成は、前が16号車、後が1号車の16両編成。ちょっとうろ覚えなんですが、1号車空調電源車、2~9号車硬座車(普通座席車)、10号車軟臥車(A寝台四人用コンパートメント)、11~14号車硬臥車(三段式B寝台)、15号車乗務員用硬臥車、16号車が郵便荷物車だったような気がするけれど、軟臥車はついてなかったかも。1号車以外が緑色の25B型客車で、1号車だけがなぜかライトグレーにオレンジ色の25G型客車でした。あーこういうのはちゃんと記録しておかなあかんね。
乗り込んだのは12号車21番下段。列車が終点の重慶に着くのは明朝06:45なので、いちおう夜行列車ですし、中国では昼行列車でも寝台車がついていることは非常によくあることで、このN757次列車も午後2時台の出発ですが編成の半分は寝台車なので、ここでヒルネを決め込もうというわけです。
乗り込んだのは12号車21番下段。列車が終点の重慶に着くのは明朝06:45なので、いちおう夜行列車ですし、中国では昼行列車でも寝台車がついていることは非常によくあることで、このN757次列車も午後2時台の出発ですが編成の半分は寝台車なので、ここでヒルネを決め込もうというわけです。
きれいに整えられた寝台。
客車は重慶鉄路分局所属。
気温は27℃、ホームは初夏の陽気です。
車内も暑いといやなのですが、しかし!この車両は窓が開きます!窓が開く寝台車、日本にはもうありませんね~。窓を全開にして、いよいよ広元を出発です。成都まで319㎞、5時間44分の汽車旅が始まりました。
車内も暑いといやなのですが、しかし!この車両は窓が開きます!窓が開く寝台車、日本にはもうありませんね~。窓を全開にして、いよいよ広元を出発です。成都まで319㎞、5時間44分の汽車旅が始まりました。
列車は最初のうち嘉稜江に沿って走ります。あとから複線化したからなのか、下り線が川の東岸を、上り線が川の西岸を走っている区間なんかも長く続きます。嘉稜江を離れると、地形は蜀の桟道名月峡のような険しさから解放され、田んぼの広がる比較的広い平地もある中を走るようになります。
なにしろ寝台に横になれて、枕も布団も完備していて、さわやかな風が窓から入ってきて、心地よい揺れとレールを刻む音が聞こえてきて、おまけに腹いっぱいときてますから、ついつい午睡をむさぼってしまいます。時々起きて写真を撮りはしたものの、だいたい成都までずっと寝てましたーー(^-^)。
開け放たれた車窓から。
それにしてもこのN757次列車、いくら4月18日に登場したばかりの列車だと言っても、空きすぎです。成都に着くまで寝台車にはほんの数人しか乗ってこなかったし、座席車のほうにもずいぶん余裕がありました。成都ではその大半が降りて、重慶へ向けてますます空いてしまったようです。こんな空いた列車は中国では非常に珍しいです。道中のんびりと静かに汽車旅ができる中国では数少ない列車として、このN757次列車を強力におすすめします!ちなみに広元から成都まで下段寝台で運賃込み67元(=約1000円)でした。
やがて日も傾いて。
唐の詩人・李白とゆかりが深い江油、劉備玄徳に仕えた軍師・龐統(ほうとう)が祀られている徳陽、約3500年前の揚子江文明の代表的な遺跡・三星堆遺跡のある広漢などを経て、列車は20:26に定刻どおり成都に到着しました。列車はここで49分という長時間停車のあと重慶へ向けて出発しますが、我々はここで下車します。
さて、成都駅のホームに降りるとふと目に止まったのが向かいのホームに入っている列車。車体が妙にすべすべつるりとしていて新しい感じ。いったいどこへ行く列車なのだろうとサボを見てみると、
ををををっっ、これは、チベットのラサ行きではないか!!
昨年(06年)7月に開通したチベット鉄道のことはその後日本でもかなり話題になったのでご存じのかたも多いことでしょう。歴史上初めてチベット自治区に建設された鉄道を通じて、現在は区都のラサと北京・上海・広州・成都・重慶・蘭州・西寧の7都市との間が鉄道で結ばれています。僕は日頃は瀋陽にいるので、チベット鉄道は遠いところのできごとと思っていたのですが、今突然目の前にラサ行きの列車が登場してちょっと感激です。ざっと見て歩くと車内はほぼ満席で、外国人のツアーもだいぶ乗り込んでいるようです。網棚にはこれでもかというほど荷物がぎゅうぎゅうに載せられていてとてつもなく遠くへ行く列車であることを物語っています。
この列車は成都を20:36に出発するT22/T23次特快列車で、終点ラサに着くのは翌々日の17:21。3360㎞を44時間45分かけて走ります。でも停車駅は成都、広元、宝鶏、蘭州、西寧、ゴルムド、ナチュ、ラサの8駅しかありません。車輌はカナダのボンバルディアと青島の四方車輌で製造されたばかりのド新品の25T型という客車で、海抜5000mでの走行を確保するため航空機のように与圧ができ、酸素供給装置も備わっているらしいです。
この列車は成都を20:36に出発するT22/T23次特快列車で、終点ラサに着くのは翌々日の17:21。3360㎞を44時間45分かけて走ります。でも停車駅は成都、広元、宝鶏、蘭州、西寧、ゴルムド、ナチュ、ラサの8駅しかありません。車輌はカナダのボンバルディアと青島の四方車輌で製造されたばかりのド新品の25T型という客車で、海抜5000mでの走行を確保するため航空機のように与圧ができ、酸素供給装置も備わっているらしいです。
ラサ行き列車のサボ。
ラサ行きの発車を待つ成都駅。
せっかくなので、ラサ行きの出発までホームにいて見送りましょう。T22/T23次列車は、定刻20:36に長い汽笛を残し、あたかも巡礼列車であるかのように、チベット仏教の聖地・ラサへ向けてゆっくりと出発していきました。僕だって、いつか乗ってやる、チベット鉄道。
さて、もう夜9時です。今夜の宿を探す前に腹ごしらえをしましょうか。
駅前にはさまざまな飲食店が軒を連ねています。その中で目に付いたのが「陳麻婆豆腐店」。
ハテ、ここは今回ぜひ食べようと思って来た元祖陳麻婆豆腐の系列店であろうか。駅前にも店があるとの情報は聞いていないが…… まあとにかくここで食事にいたしましょう。
ハテ、ここは今回ぜひ食べようと思って来た元祖陳麻婆豆腐の系列店であろうか。駅前にも店があるとの情報は聞いていないが…… まあとにかくここで食事にいたしましょう。
▲ま、とりあえず本場の麻婆豆腐。
▲注文したのは麻婆豆腐と回鍋肉、そして白いごはん。定番です。
ごちそうさまでした~~(^_^)/。 さて、宿さがしだ。
【参考:N757次列車の成都までの停車駅と時刻】
広 元 14:42発(広元からの距離)
昭 化 15:05着 15:07発 21㎞
沙溪壩 15:28着 15:30発 41㎞
竹園壩 15:55着 15:57発 65㎞
馬角壩 16:37着 16:39発 105㎞
江 油 17:38着 17:42発 162㎞
綿 陽 18:20着 18:25発 204㎞
羅 江 18:54着 18:57発 234㎞
徳 陽 19:18着 19:20発 258㎞
広 漢 19:40着 19:42発 281㎞
成 都 20:26着 21:15発 319㎞
広 元 14:42発(広元からの距離)
昭 化 15:05着 15:07発 21㎞
沙溪壩 15:28着 15:30発 41㎞
竹園壩 15:55着 15:57発 65㎞
馬角壩 16:37着 16:39発 105㎞
江 油 17:38着 17:42発 162㎞
綿 陽 18:20着 18:25発 204㎞
羅 江 18:54着 18:57発 234㎞
徳 陽 19:18着 19:20発 258㎞
広 漢 19:40着 19:42発 281㎞
成 都 20:26着 21:15発 319㎞