毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

「日本海」、湖西線を行く。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818230108.jpg ▲4号車のデッキでは愛称マークが間近に見られてうれしい。

 2010年2月22日、湖西線

 機関車交換を済ませた4002レ寝台特急日本海」は、19分の停車時間ののち、定刻の08:21にゆっくりと敦賀駅を発車しました。

 敦賀駅を発車してすぐ、右手には車両センターが見えてきます。「食パン電車」419系も見えますし、「トワイライトエクスプレス」色のEF81がヘッドマークをつけて停まっているのも見えます。これはこのあと「トワイライトエクスプレス」の機関車交換で出場するのでしょう。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818230039.jpg 419系がいますなあ。

 敦賀市内には雪はまったくありませんが、右前方には雪に覆われた山々が広がっています。あれは野坂岳のほうでしょうか。雪山を眺めながら敦賀市の公害を走り、小浜線と分かれてしばらく行くと、列車は深い山あいに入っていきます。乗っているとあまりよくわかりませんが、上り列車は大ループを走り、新疋田駅に至ります。そのあと約5千mちょっとの深坂トンネルをくぐり抜けると近江塩津の駅です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818230046.jpg 敦賀市郊外に見えた雪山。

 近江塩津北陸本線湖西線が分岐し、「日本海」は湖西線へと入っていきます。すぐに琵琶湖が見えてきて、まさに山深い峠を越えて下界へ下りてきたという感じがします。

 湖西線は、西側は京都府との県境をなす比叡山系が迫っているので、田んぼの向こうの比較的近いところに雪をはらりとかぶった山々が連なっていますが、進行方向左手には広々とした琵琶湖が広がり、すでに春の陽光を受けて湖面がきらきらと輝いています。この眺めが湖西線の醍醐味です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818230055.jpg 右手は比叡山系の山々。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818230100.jpg ハシゴ越しにきらめく琵琶湖。

 3号車の洗面台で身支度を調えているとふと目に入るのは、4号車との連結部分にある愛称マーク。4号車にはオハネフ24形が当てられているので連結部分には仕切りドアがあり、「日本海」の愛称マークを再接近して眺めることができます。この幕をくるくる回せば数々の懐かしい寝台列車の愛称が出てくるんだろうなと思うのですが、もちろんくるくる回すことはできません。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818230104.jpg 3、4号車の連結部分。

 上り「日本海」のうれしいのは、福井から車内販売が乗務することです。かつては下りにも車内販売があったけれど、「あけぼの」の車内販売とともに姿を消してしまい、夜行列車でのモーニングコーヒーを楽しむ機会は大いに減りつつあります。そんな中で上り「日本海」は数少ないモーニングコーヒーを楽しめる列車。我が3号車にはなかなか回ってこなかったけれど、ようやくやってきたのでさっそく熱いコーヒーを注文。ついでに、昼をどこで食べられるかわからないので今のうちに何か食べておこうと思い、サンドイッチも購入。駅弁も何種類か積んでいましたが、朝から「焼き鯖寿司」などの駅弁は少々重いので、ちょっとしょぼいサンドイッチでしたが、これでガマン。とにかく、夜行列車で一夜を明かしたあとに車内で飲む熱いコーヒー、これこそ夜行列車のささやかな楽しみの一つであります。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818230051.jpg ▲夜行列車で一夜を明かしたあとモーニングコーヒーが飲めるのはうれしい。