奥羽路の「日本海」
17日の18:40に「はくたか18号」で富山に到着した僕は、改札を出るなりみどりの窓口へ行って、青森までの乗車券と「日本海」の寝台券を求めました。そのときみどりの窓口の壁面に表示されていた空席情報の「北陸」の欄には赤い×印が灯りこの日は満席であることを告げていました。「北陸」は廃止の日までもう連日満席続きなのでしょうか……(「能登」は○印でしたが。)。
その「日本海」にあやうく乗り遅れそうになりながらなんとか乗り込み、22:20、4001レ「日本海」は定刻に富山を発車しました。一夜の宿は5号車オハネ25-220の12番下段。向かいの寝台にはすでにカーテンが引かれ、先客が眠りについているようです。酔っ払っている僕も早々に寝支度を調え、次の魚津を出るのをしおに眠りにつきました。
酔いも手伝って爆睡した僕が目を覚ましたのは、向かいの乗客が鳴らした携帯電話のアラームの音。そのあと車掌さんも起こしにきたようで、その乗客は03:55着の酒田で降りていった気配。はや……。
その後、うとうとしてはまた眠ることを繰り返し、05:35着の秋田でも下車客があったもよう。でもまだおはよう放送は入りません。おはよう放送が入るのは06:30の東能代到着前。東能代からはヒルネ区間も始まりますが、開放されるのは2~4号車のようです。僕はそのあとも鷹ノ巣、大館、大鰐温泉と何度寝を決め込み、07:51着の弘前でいよいよ起き出します。
けだるい朝のB寝台。
車窓の風景を眺めてみると、確かに今年は例年より雪深いような気がします。通過する駅のホームの雪の積もり具合を見ても、リンゴ畑や田んぼ、山の斜面の感じを見ても、雪が深そうです。
ただ、この日の朝は青空は広がっていないものの見通しのきく天気で、弘前を出てしばらくすると左手に津軽富士・岩木山がその雪をかぶった姿をくっきりと見せ、右手には広い雪原の向こうに八甲田連峰も見ることができました。
ただ、この日の朝は青空は広がっていないものの見通しのきく天気で、弘前を出てしばらくすると左手に津軽富士・岩木山がその雪をかぶった姿をくっきりと見せ、右手には広い雪原の向こうに八甲田連峰も見ることができました。
雪の岩木山。
八甲田連峰も見えてきた。
「日本海」は浪岡駅で運転停車。浪岡08:08発の弘前行き普通列車640Mの到着を待ちます。平日の朝ですから通勤通学客がたくさんホームで待っています。やってきたのはおなじみ701系です。
「日本海」は青森目前の津軽新城でも交換待ちをします。今度は43M特急「つがる43号」、E751系です。どうせこちらは急ぐたびじゃなし、「日本海」はあせらず急がず、のんびり奥羽路を進みます。
「日本海」は青森目前の津軽新城でも交換待ちをします。今度は43M特急「つがる43号」、E751系です。どうせこちらは急ぐたびじゃなし、「日本海」はあせらず急がず、のんびり奥羽路を進みます。
浪岡で640Mと交換。
津軽新城では45Mと交換。
津軽新城の次は新青森駅を通過しますが、おおおお~~、もう外観はすっかりできあがってますね~、東北新幹線新青森駅の駅舎。ここに今年12月には「はやて」だかなんだか知らないが新幹線がやってくるのかと思うと、なんか興醒め(^_^ゝ。もともと1面1線だけだった在来線新青森駅ホームも1面2線化の工事が行われているようですが、いったいどうなっちゃうんでしょうかねえ~新幹線が来たら。
外観がほぼできた新青森駅。
さて、まもなく終点青森に到着します。青森に着いたらやっぱり先頭の機関車の写真が撮りたいですが、機関車がすぐ切り離されることは知っているので、到着する前に先頭の12号車のデッキまで移動します。5号車からスタートし、6号車と11号車の連結部では、11号車がオハネフなので、列車愛称幕を間近に見ることができます。
6号車と11号車の連結部。
先頭の12号車は開放式A寝台。日本の定期列車で唯一残る客車の開放式A寝台です。デッキとの仕切りドアのガラスには昔ながらの字体で「A寝台」と書かれてあるのがなにやら懐かしく、車内の真ん中にある通路に敷かれたレッドカーペットはA寝台車の格調を漂わせています。仕切りドアを入ってすぐ右にはフリースペースのボックスシートがあり、すっかり降り支度を調えた乗客がくつろいでいるのが見えます。
5号車からたどってきてみた感じでは、青森まで乗り通した乗客は各車両に3~5人といったところでした。喫煙車の11号車には1人しかいませんでした。もちろん、酒田で降りた人もいるぐらいですから、途中の停車駅で降りた人もそれなりにいたでしょう。それにしても少々寂しい。でもがんばって走り続けてほしい寝台特急「日本海」、雪は降りませんでしたが、巻き上げた雪で、折り戸のデッキには細かい雪が吹き込んでいました。雪と寒さの厳しい冬に走るのがブルトレの真骨頂でありましょう。
5号車からたどってきてみた感じでは、青森まで乗り通した乗客は各車両に3~5人といったところでした。喫煙車の11号車には1人しかいませんでした。もちろん、酒田で降りた人もいるぐらいですから、途中の停車駅で降りた人もそれなりにいたでしょう。それにしても少々寂しい。でもがんばって走り続けてほしい寝台特急「日本海」、雪は降りませんでしたが、巻き上げた雪で、折り戸のデッキには細かい雪が吹き込んでいました。雪と寒さの厳しい冬に走るのがブルトレの真骨頂でありましょう。
12号車は開放式A寝台。
▲寒さの厳しい夜を徹して走ったデッキには細かい雪が吹き込んでいました。