毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

米原乗り換え。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818185912.jpg ▲700系「ひかり」の行き先表示幕。「ひかり」も希少になりつつあるなあ。

 2010年1月27日、東京へ。

 いちどやってみたかったのが「米原乗換」。

 なぜという確たる理由はないのですが、太平洋側の大動脈東海道本線日本海側の大動脈北陸本線の分岐点だということになんとなく惹かれるんです。

 米原ジャンクションは急行「きたぐに」で通ったことはあります。しかし、遠い過去の思い出を引っ張り出せば、いちばん印象深いのは、急行「あおもり」に乗車したときです。年末の帰省のときだったと思います。

 臨時客車急行「あおもり」は名古屋始発米原経由青森行きでした。僕は確か、関西の友人に会いに言っていて、そこから帰省するのに、敢えて米原まで出て米原から急行「あおもり」に乗りました。自分の持つ指定券に記された席に行くとそこはすでに別の人に占拠されており、というか、車内全体が、出稼ぎからふるさとへ帰る人々で宴会状態となっていて、ちょっとまいったけれども、それも年末の風物詩と思い、12系客車の空いている席に座って一夜を過ごしました。

 それはともかく、今回は「しらさぎ54号」米原行きに乗りました。金沢発車時点で自由席はかなり埋まりましたが、指定席はそこそこという感じです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818185900.jpgしらさぎ54号」3号車車内。

 「しらさぎ54号」はこまめに停車していきます。金沢を出ると次は松任松任で、金沢駅の1番線から先行した小松行き普通列車1418Mを追い越し、小松、加賀温泉芦原温泉と停まっていきます。このへんで睡魔が襲ってきます。雪をいただいた山向こうからそろそろ日の出の気配です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818185907.jpg そろそろ日が昇る~。

 683系2000番台は快適な走りを見せながら、福井、武生、鯖江と停車していきます。車内販売は敦賀から乗務ということでほとんど何の役にも立たないので、とうとう爆睡です。敦賀には08:10到着。ここでは寝台特急日本海」が長時間停車をしつつ機関車交換をしているのを追い越すはずで、高岡で降りた「日本海」を今一度見たいと思っていたのに、爆睡していたのでまったく気づきませんでしたっ。

 停車駅ごとに乗客は増え、08:44の終点米原到着時にはほぼ満員状態。そしてそのほとんどが新幹線に乗り継ぎます。首都圏のラッシュ時のように跨線橋が人でいっぱいになります。目指す新幹線は10:54発の東京行き「ひかり462号」。08:49に到着して、5分停車の間に何本かの「のぞみ」に道を譲り、その間に米原で乗り換えた人々がわんさと乗り込み、「ひかり462号」の車内はほぼ満席で、その多くがビジネスマンです。東海道新幹線のすごさを垣間見る思いです。僕もこの思いもよらぬ大混雑に流されるようにして700系車両に吸い込まれてしまいました。いやー、スゴかった。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818185920.jpg 700系「ひかり462号」。

 「のぞみ」全盛となってしまった今では、「ひかり」しか停まらないような駅には普段用のない僕は、「ひかり」に乗ることなどめったになくなってしまいました。いったい「ひかり」に乗るのはいつ以来のことでしょう。

 米原を出ると関ヶ原越えにさしかかります。左前方に、そこだけ真っ白い雪をかぶった山が忽然と見えてきました。周囲に他に雪をかぶった山は見あたらず、妙に目立っています。標高がそれほど高いようにも見えませんが、あれだけ雪が積もっているということはそこそこ高い山なのでしょうか。あとで地図を見てみると、このあたりには伊吹山というのがありますが、あれは伊吹山でしょうか。伊吹山と言えば、古事記にも登場する有名な山。「故爾に御合したまひて、其の御刀の草那藝劒を、其の美夜受比賣の許に置きて、伊服岐(いぶき)の山の神を取りに幸行でましき」ですか。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818185926.jpg あの雪をいただく山は?

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818185930.jpg もしや伊吹山

 「ひかり462号」は、1日にたった1本の三原始発の列車。名古屋までは各駅停車で、岐阜羽島でも3分停車して「のぞみ」1本に追い抜かれますが、そのあとは名古屋、小田原、新横浜、品川に停まるだけで、しかも途中の追い抜かれはありません。そして東京着は11:10。石川、福井あたりからビジネスで上京するにはちょうどよい列車なのでしょう。

 天気は快晴です。これなら富士山が見えるはず。そう思って、車内販売のコーヒーを飲みながら起き続け、新富士あたりで富士山を拝むことができました。ただし、関東に近づくにつれて少々雲が増え、頂上はちらりと見えただけでした。富士山が見えてほっとしたのか、僕は再び眠りに落ち、はっと目が覚めたときにはもう品川でした。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818185935.jpg ▲「ひかり462号」の車中から見えた富士山。ちょっと雲に遮られたけれど、まあいいか。