「能登」で金沢。
▲前回 2010年1月27日、金沢駅。
高岡駅で「北陸」が走り去った5分後にやってきた「能登」に、僕は乗りました。わずか32分の乗車ですが、指定席を取っていました。指定券が記念に残ると思ったし、先頭車のあたりにいた高岡駅から乗車して自由席車のほうへ移動するのが億劫でもあったからです。僕の席は2号車2番D席。いいポジションです(^^)。
2号車の車内は、途中駅での下車客もあったのかもしれませんが、僕のほかには3人しか乗っていませんでした。上野や高崎からずっとこんな状態だったのなら、季節臨時化もやむを得ないかなとちょっと思ってしまいました。
すれ違ったのは1001M特急「はくたか1号」でしょうか。もう新しい一日が始まっています。「能登」は石動、津幡と停車して、定刻の06:29に終点金沢駅の5番線に到着しました。ぱらぱらと降りた人たちの中から数人が先頭へ写真を撮りに向かいます。「能登」を待ち受けていたファンもいるようです。
ヘッドライトのついてるうちに。 前回「能登」に乗ったのは2008年11月26日。富山から上野までグリーン車で爆睡しました（記事はコチラ）。そのときは、上野駅でホームに降りて行き先表示幕の写真を撮ろうと思ったらすでに「回送」の表示になっていてがっかりしました。しかし、今回の金沢駅では行き先表示幕はまだ「急行能登 金沢」の表示のままで、めでたくカメラに収めることができました。
行き先表示幕。
引き上げ準備完了。 それにしてもこの国鉄色489系、形状といい色といい、本当に素敵です。JR各社が発表した次回ダイヤ改正の概要によれば、季節臨時化されたあとの「能登」は新潟の485系6両編成で運行されることになるそうです。489系は完全撤退になるということです。青森にいた僕にとってはボンネット車に対する印象は薄く、晩年の「白鳥」ぐらいしかなじみがありませんが、日本の鉄道を何十年にもわたって支えてきたこの車両が姿を消すのは残念至極です。
この色に「急行」の文字。 おっと、そういえば1番線には「北陸」が到着していたのでした。「能登」のホームから見遣ると、「北陸」を牽引してきたEF81-149はヘッドライトをつけたままですが、テールランプも1つ付いています。引き上げ準備が完了したのでしょう。10人ばかりのファンが機関車を取り囲んでいます。「能登」がかり見ていてうっかりしていましたが、「北陸」が去ってしまってはいけません。早く1番線へ行かなければ！
1番線には「北陸」が。
もうすぐ引き上げか。 荷物を持って階段を下り、1・2番線ホームへ駆け上がり、先頭へ行こうとしたその瞬間、「北陸」は動き出してしまいました！がーーん。行かないでぇっ！「北陸」が06:26に到着する1番線は、06:39着06:40発の富山始発小松行き普通列車418Mが控えているので、「北陸」は早々に引き上げていってしまのでした。がっっくり……(T_T)。
去りゆく「北陸」。 それでも、今回青森から「日本海」を利用することで、慌ただしかったですけれども、廃止・臨時化を控えた「北陸」「能登」をこの目に焼き付けることができました。「日本海」の開放式B寝台や「能登」の普通車指定席にも乗れたし、なんだか凝縮された一晩でした。
ほどなくして、「能登」も津幡方へ引き上げていきます。どうして「北陸」とは引き上げる方向が違うのでしょう。それはともかく、「北陸」も「能登」も、あと一ヶ月とちょっと、上野駅や金沢駅なんかでは大勢のファンに囲まれてとてつもない大騒ぎになっちゃいますが、変わらずに、淡々と、元気に走り続けて、最後までがんばりとおしてほしいと思います。
▲終点