毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

宗谷岬でタコしゃぶplease!(その33;はらいっぱい)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818142738.jpg ▲夜の小樽運河。水面が鏡のよう。

 2009年9月7日、夜の散歩。

 「運河の宿 ふる川」での大満足の夕食が終わりましたが、このまま寝ると確実にデブになるので、ちょっと外を散歩しようかと思います。

 一階フロントロビーに下りると、そこは昔の商家のたたずまい。この雰囲気がこの宿の特徴であり、大きな魅力でありましょう。チェックインカウンターは当時の商家の帳場を再現していて、畳敷きで、帳場の続きには火鉢が置いてあり、戸棚や引き出しなどの家具類も皆古いもので、おそらく当時実際に使われていたものでしょう。柱には、当時実際に使われていた帳面が吊されています。ニシン漁で栄えていた頃の小樽にはこのような商家が立ち並び、活況を極めていたのでしょう。帳場のほか、この一階ロビーには、入口すぐに古い石炭ストーブが置かれていたり、シックな調度品がさりげなく飾られ、いつでもそのあたりに腰掛けて休むことができます。

 ちなみに、先ほどまで夕食をとっていた二階のお休み処は、夕食が終わるとサロンに早変わり。入口近くにはソファーセット、その脇の壁面には本がびっしり詰まった本棚、そして一流ブランドのスピーカーからはジャズが流れています。テーブルの上には冷たいレモン水が用意されていて、風呂上がりの宿泊客がのどを潤せるようになってます。まことに心地よい空間です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818142729.jpg 「運河の宿ふる川」の帳場。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818142734.jpg この雰囲気、すごくいいです。

 さて、夜の小樽運河沿いをそぞろ歩きます。少々肌寒いですが、外はまだまだ観光客がたくさん出歩いています。
 運河沿いはもう少し明るいかなと思っていたのですが、それほどでもないんですね。車道から少し下がった運河沿いの歩道は、街灯はあるものの、足下はけっこう暗い夜道です。しかし、対岸の倉庫群はライトアップされており、鏡のように静まった運河の水面にその姿を美しく映しています。

 小樽運河は1923年(大正12年)の完成。海を埋め立てた際に陸との間にできた「埋立て式運河」で、海上に停泊した船舶と運河沿いの倉庫などとの間の貨物の揚げ卸しに使われていたそうです。波一つ立たない鏡ような静かな水面を見ていると、往事の活気がまさに夢か幻のように思えてきます。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818142742.jpg ▲かつてここを多くの艀が行き交っていたのですねえ……。