毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

宗谷岬でタコしゃぶplease!(その30;小樽の日が暮れる)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818142558.jpg ▲旧金子元三郎商店。

 2009年9月7日、小樽の夕暮れ。

 北一硝子をじっくりと見て回りました。そのデザインや商品の豊富さと言ったら、どんなに眺めていても飽きません。しかも、四季折々の行事などに合わせて新しいデザインのものを並べているのには惹かれます。僕が行ったときはちょうど中秋の前でしたので、ウサギが月を眺めている柄の入ったグラスなどが並んでいて、思わず僕も中国にいる友人向けに3つもグラスを求めてしまいました。

 それから北菓楼をのぞいたり、魚介類を扱っている店から日本国内の知人に毛ガニを発送したりしているうちに、小樽堺町通りにも夕闇が忍び寄ってきました。堺町通りをのんびり逆戻りします。1899年(明治32年)に初代小樽区長になり、その後中央政界に転じた金子元三郎の小樽での拠点であり、小樽初の日刊紙「北門新報」の印刷所としても使われていたという、今はアクセサリー店に転じた建造物の前を通りかかると、中からオレンジ色の温かそうな光が洩れています。9月初旬とは言え小樽の夕暮れはすでに肌寒く、漏れ出る明かりを温かく感じてしまうのです。

 堺町通りを右に折れて、於古発川沿いに運河に向かって歩きます。ここに並んでいるのは、大正硝子館。角にある本店は1906年(明治39年)に建てられた名取高三郎商店を改装したもの。本店から運河へ向かって創作硝子工房、とんぼ玉館、びーどろ館と並んでいます。とんぼ玉館もたいそう古い建物のようで、外壁に絡みついたツタはみごとです。中では硝子細工の体験ができるのが人気らしく、体験工房も商品の陳列スペースも人でいっぱいでした。硝子細工は自分で作ってもそれを眺めていても時間を忘れてしまいそうです。

 夕闇が迫ってきました。ツタの絡みついた外壁を照らすオレンジ色の明かりがますます温かく見えてきます。そろそろ宿へ戻りましょうか。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818142606.jpg 大正硝子館とんぼ玉館。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818142609.jpg ▲とんぼ玉館も古い建物。絡みつくツタ、ほの明るい灯火、小樽はもう秋かも。