宗谷岬でタコしゃぶplease!(その16;JR北海道のデザート)
▲太陽いっぱいの真っ赤なゼリー。
2009年9月6日、天塩川に沿って。
旭川で乗務員が交代し、特急「スーパー宗谷1号」はいよいよ宗谷本線に乗り出しました。旭川までは「スーパーカムイ」と遜色ない俊足が見せ所でしたが、宗谷本線に入ってからは峠越えのハイパワーと、連続カーブをすいすいと走り抜ける振り子機能が見せ所になるはず。
宗谷本線に入って最初の難関は塩狩峠。塩狩峠と言えば三浦綾子の小説「塩狩峠」を思い出す方も多いことでしょう。僕はずいぶん大人になってから読みました。「スーパー宗谷1号」はその塩狩駅を通過します。駅のすぐそばには「塩狩峠記念館」があり、車窓からも見ることができます。小説「塩狩峠」のモデルとなった鉄道職員・長野政雄殉職の碑もすぐ近くにあるそうです。この塩狩峠をなんなく越えれば、宗谷本線で最初の停車駅・和寒。旭川から27分、10:20の到着です。和寒を出て10分で次の停車駅は士別、さらに13分で名寄と「スーパー宗谷1号」は快走を続けます。
和寒駅では下車客あり。
今回少し驚いたのは、「スーパー宗谷1号」の乗車率が非常に高いことと長距離乗車の利用客が多いことです。札幌での入線前から乗車口には長い列ができ、僕は2号車普通車指定席に乗りましたが、ほぼ満席で札幌を出発し、旭川でも乗客に大きな動きはありませんでした。キハ261系になって所要時間が短くなったのも手伝ってか、「スーパー宗谷」の需要は旺盛なようです。
10:30、士別駅停車。
「スーパー宗谷」には車内販売が乗務していますが、時々デザートの販売がやってきます。事前に車内放送で案内があるのですが、今回は「大雪山レアチーズケーキ」とか「夕張メロンなんとか」などの定番の他に、オススメだと強調されていたのが「太陽いっぱいの真っ赤なゼリー」。トマトを使ったゼリーということで、物珍しさにひかれて一個購入。さっそく食べてみます。
おお!ウマイ!甘いけれどもトマトも風が確かにする!これは珍しい!あ、びっくりマークが4つも出てしまいましたね。あとで調べてみたところ、これは千歳の「もりもと」というスイーツ屋さんの出品で、北海道産の「ファンゴッホ(カンパリ種)」という品種のフルーツミディトマトを使い、自然な甘みとコクを引き出した新感覚のゼリーなのだそうです。ゼリーというほどかたくなく、とろりと溶けるような、半分ジュースのようなこのゼリー、確かにオススメ!
お・い・し・い・デス。
そうこうしているうちに列車は名寄を出てさらに北上を続けます。いつしか左側の車窓には天塩川が寄り添うようになりました。黒々とした水が静かに流れています。このあたりには学生時代の思い出があります。かつて佐久~筬島間に存在した「神路」という駅を探しにきたことがあるのです。そのときの思い出についてはコチラに書きましたが、天塩川を見るとその思い出がいつもよみがえります。前回天塩川を見たのを真冬で、一分の隙もなく凍り付いて真っ白でしたが、今回の初秋の天塩川は、まだまだ濃い緑に囲まれてただ静かに流れているのでした。
静かな水面を見せる天塩川。
▲真冬には真っ白に凍り付く天塩川が今回はゆるやかに流れていました。