毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

宗谷岬でタコしゃぶplease!(その9;森駅前でランチ)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818141709.jpg ▲森駅前「東光亭」の味噌ラーメン。

 2009年9月5日、森駅前でランチ。

 森駅で下車した僕を待ち受けていたのは「いかめし完売攻撃」。今回の旅で期待していたものの最初のひとつであえなく挫折。どうしてないのっ?? それにしても阿部商店、いかにも北国に昔からあるような店構えで郷愁を誘います。青森で小さい頃に通った家の近所の小さい商店のようです。
 
 「いかめし」がないとなると、へたをすると昼食にあぶれてしまいます。どこか昼を食べられるところはないかと駅前をうろうろしてみたところ、道路を挟んで駅のほぼ真正面にラーメン屋さんを見つけました。その名は「東光亭」。一見なんのへんてつもない駅前食堂ふう。中に入ってみても、田舎によくある駅前の食堂ふう。おばちゃんが注文を取りに来て、おやじさんが「あいよっ」と言ってラーメンを茹でるという感じ。週末だからか女子高生らしいバイトさんも2人ほどいます。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818141659.jpg 駅前に発見「東光亭」。

 実はこの「東光亭」、森町のみなさんに親しまれた人気店なんだそうですね。僕がいる間にもお客さんが途絶えることなく出入りしてましたものねえ。
 僕が注文したのはシンプルに味噌ラーメン。北海道と言えば味噌ラーメンですが、ここ「東光亭」の味噌ラーメンはごってりした感じがなく、むしろさらりとしたさっぱりした味わいでなかなかおいしい。ギョーザも食べればよかった。僕が食べ終える頃、バイトさんたちが賄い飯を準備していましたが、それはカレーライスでした。それもおいしそうだった。大型商業施設が次々と郊外にできるに伴って、全国の地方の駅前は寂れゆくばかりなので、こうして駅前食堂が健在なのはなんだかうれしいです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818141704.jpg あっさりさっぱりでした。

 さて、なんとか昼食にありついてお腹もくちくなったところで次の列車の時間が近づいてきました。駅へ戻り、改札を抜けて1番線で下り列車を待ちます。

 森駅のホームは長く、ホームのはずれにぽつんと立つ駅名標、ホームの向こうの岸壁、本当に映画のワンシーンに出てきそうなたたずまいです。もう少し右へ視線をやると、岸壁が低くなって、こちら側からも噴火湾の海が見えるようになります。海中に立つコンクリートの塔のようなものも見えますが、これは「明治天皇御上陸地」の碑。明治14年(1881年)9月3日、明治天皇が東北、北海道の巡幸の際に室蘭から船で訪れ、桟橋のあったここから上陸されたのだそうです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818141717.jpg ぽつんと駅名標

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818141721.jpg 中央奥の海上に上陸碑。

 ふと大沼方面を見遣ると、おお!ずっと雲に遮られて見えなかった駒ヶ岳が、裾野の雲が少し晴れて、長くのびる裾野の稜線が少し見えるようになっています。ゆるやかに広がる稜線は裾野の部分だけでも十分に美しい。晴れた日にここから見える駒ヶ岳の全貌はさぞやすばらしかろうと想像されますが、この日は残念ながらそれを望むことはできませんでした。晴れた日の駒ヶ岳の眺望と「いかめし」に課題を残したので、またいつか改めて森駅で下車してみたいと思います。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818141726.jpg ▲森駅から望む駒ヶ岳。雲が少し晴れて裾野の稜線が姿を現した。