太宰治生誕100周年記念トリップ（その18；くまげら編成again）
▲深い雪に覆われる厳しい冬を幾歳も経てきましたというような 2009年9月3日、五所川原にて。
五所川原駅の跨線橋を渡って、津軽鉄道のほうの改札から外に出ます。津軽五所川原駅の駅舎は、木造ではないですが、いかにも長年の風雪に耐えてきましたという感じの古さを感じさせます。駅舎内も薄暗く、昔ながらの小さい改札口、手書きの時刻表、狭い待合室、吹雪の中を歩いてきたほっかむりと割烹着の「おがさま」がよっこらしょとこの待合室の石油ストーブの前に腰掛けて列車を待っていたりなんかしたらまさに絵になる、そんな待合室です。
その待合室。 ところで、この津軽鉄道五所川原駅の真向かいに、弘南バスの発着所があります。けっこう大きな建物が待合室になっていて、案内や定期券販売の窓口があるほか、売店や食堂なんかが軒を連ねています。この発着所がまた津軽五所川原駅に劣らず味のある建物で、中に入っている売店や食堂の軒を連ねる様子なんかも「ここだけ昭和30年代ですか」と思ってしまいそうなレトロムード満点でした。ところが、今回この発着所の中を覗いてみたら、あれっ？ほとんどもぬけの殻。売店とおやき屋は隅の方に残っていましたが、それ以外は全部撤退したのか、ペンキが塗られた薄い壁が並ぶばかりで、がらーんとしていました。ああ、残念、ここにも不況の波が押し寄せたのか、また一つ隠れた名所がなくなってしまったようです。なお、発着所の向かいにあり、TVなどでもよく取り上げられる「平凡食堂」は健在です。
と言っている間に列車の時間がやってきました。今度はJRの五所川原駅の改札をくぐります。JR五所川原駅は1面2線で、駅舎から跨線橋を渡ってホームへ行きます。津軽鉄道のホームが隣接していることもあり、なかなか広い構内を持っています。
ホームには、下校途中の高校生がうじゃうじゃ(^^)。待っているのは17:43発の深浦行き普通列車2832D。17:38に到着する予定です。僕が乗るのは逆方向、同じ17:43発の8525D-8635D快速「リゾートしらかみ5号」青森行き。僕はこの日は往復とも「リゾートしらかみ」で、なんか豪華やなあ(^^)。
17:38、深浦行きが到着しました。弘前色のキハ48。深浦方先頭車両はキハ48-519です。ドアが開くなり、一瞬下車客と乗車客が入り交じり、それからどどどっと高校生たちが次々に乗り込みました。閑散ローカル線もにぎわう時間帯です。
到着した深浦行き。
キハ40系の3両編成。 深浦行きのほうは乗降が済んであとは「リゾートしらかみ5号」の到着を待ちます。やがてやってきた「リゾートしらかみ5号」はまたもくまげら編成。そりゃそうです。朝「リゾートしらかみ2号」で青森を発って秋田へ行った編成がそのまま「5号」になって戻ってくるのですから、朝乗った「2号」がくまげら編成なら「5号」もくまげら編成です。
平日の「リゾートしらかみ5号」は空いています。小泊で買ったイカの生干し、生臭くないかしらとちょっと気にして網棚には上げずに足下に置き、ひといきつきます。朝8時に青森を発ってきた小説「津軽」を追いかける旅も、ゴールが近づいてきましたよ。
深浦行き2832D。
▲深浦行きと