太宰治生誕100周年記念トリップ(その17;五所川原まで一枚)
2009年9月3日、中里から五所川原まで。
津軽中里駅の窓口で五所川原までの切符を求めたら、なんと硬券でした。ごくあたりまえに硬券が使われているなんて、うれしい~~。M字形の鋏がぱちんと入っているのもうれしいです。硬券を手にしたときのあのしっかりした感触、入鋏されたばかりの切り口の鋭い手触り、やっぱり硬券っていいですね~。
ボックスシートが並ぶ。
芦野公園駅着は16:49。車内からは、ホームから続きで造られた演劇「津軽」の野外ステージが見えます。午前中に立ち寄ったときはスタッフさんたちが舞台の調整をしていただけでしたが、開演まで1時間ちょっととなったこの時間はリハーサルの真っ最中。主演の村田雄浩さんが舞台の中央の椅子に腰掛けてなにやら思案している様子でした。
金木で13レと交換して発車すると、右手前方、津軽平野の青々とした水田とうろこ雲の広がる初秋の空の向こうに岩木山が見えてきます。西の空がすこーし夕焼け色を帯びてきたかこないかという時間帯に、岩木山はその全容を影絵のように見せています。
17:15、16レは終点津軽五所川原に到着しました。ついに津軽鉄道完乗です。影が長く伸びたホームから階段を上り、JRのホームや駅出口へ続く跨線橋の上から津軽鉄道のホームを見下ろすと、着いたばかりの津軽21形気動車「走れメロス号」のオレンジ色の車体に、濃さを増した夕日のオレンジ色が溶けるように照らしいます。そしてその向こうの測線には、予備車として留置されているキハ22形がぽつりと見えます。ストーブ列車が走る頃の一面銀世界の津軽鉄道五所川原駅とはまた異なった風情を見せてくれる、晩夏初秋のさわやかな風景でした。
津軽21形とキハ22形。