毎日ヶ原新聞

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太宰治生誕100周年記念トリップ(その9;芦野公園)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818224734.jpg芦野公園駅の旧駅舎を利用して営まれている喫茶店「駅舎」。

 2009年9月3日、芦野公園へ。

 演劇「津軽」の公演二日目に向けてスタッフが行き交う、工事現場のようになった芦野公園駅の駅舎を抜けると、すぐ右にあるのが芦野公園駅の旧駅舎。開業の1930年(昭和5年)から1976年まで使われ、新駅舎開業後の1987年から2006年までは喫茶店として使われていました。その後、NPO「かなぎ元気倶楽部」が修復・改装し、2007年6月に喫茶店「駅舎」が再オープンして今に至っています。ファサードにマンサード屋根を備えた赤い屋根と白い壁の洋風木造駅舎は、開業当時はさぞやモダンだったでしょうねえ。僕もここでコーヒーの一杯もと思いましたが、残念ながらまだ開店前でした。

 芦野公園駅の駅舎から左手へまわっていくと、県立芦野公園の入口です。簡素な食堂や売店が並ぶ道なりに進んで公園の中に入ると、とたんに周囲は背の高い樹木で囲まれます。芦野公園は、約80haの自然公園。桜2,200本と松1,300本が湖畔に広がり、日本さくら名所百選に選ばれているとのこと。太宰治が少年の頃よく遊んだ場所の一つです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818224740.jpg 樹木生い茂る芦野公園。

 公園の入口を入ってすぐ左に進めば、津軽鉄道の線路沿いに行くことになり、木立が途切れたところから芦野公園駅を望むことができます。津軽平野のどまんなかを走る鉄道なのに、ここだけなにやら樹木が鬱蒼と茂り、山奥の駅のように見えなくもない。線路沿いの樹木の中には桜も多くあり、春にはここが桜のトンネルになるというわけです。

 線路沿いの道をそのまま進めば、公園西側の国道339号線津軽鉄道を跨ぐ踏切に出る出入り口にたどり着きます。その門を出て踏み切りの上に立つと、両脇の背の高い樹木にはさまれた芦野公園駅のホームが小さく見えます。緑豊かな芦野公園駅。ここを太宰はどんなことを考えながら歩いていたのでしょうね。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818224746.jpg 樹木の間から芦野公園駅

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818224751.jpg ▲木立に挟まれた芦野公園駅のホーム。