毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

中国鉄路あっちこっち(K7357次列車)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818204125.jpg ▲阜新駅で発車を待つ瀋陽北行きK7357次列車)

 2009年6月29日(月)、阜新発瀋陽北行き。

 僕が転勤で瀋陽から北京へ引っ越したのは7月3日のことです。

 その出発の日まで、瀋陽ではいろいろな方々に送別会などをやっていただきましたが、思えばこの3年4ヶ月の間、瀋陽の人々ばかりでなく、吉林省黒龍江省、そして瀋陽以外の遼寧省の人々にもたくさんお世話になりました。その中で、特にお世話になった遼寧省西部・阜新市の方にはこちらから挨拶に行こうと思い、北京への出発を間近に控えた6月29・30日の一泊で阜新へ行ってきました。

 遼寧省西部にあり、北は内蒙古自治区と接する阜新市は、遼寧省の中でも貧しい市の一つ。今年初めに瀋陽から直通の高速道路が開通し、それまで車だと3時間以上かかっていたのが1時間半弱に短縮されました。一方、鉄道も通っていますが、南側の沿岸部に阜新市を通らない大幹線が通っていることもあり、瀋陽と阜新を結ぶ鉄道線には一日8往復しか旅客列車がありません。

 このときは28日の往路は車で行き、一泊して29日の復路で列車に乗りました。今日はその列車をレポートします。

 阜新から乗るのは、阜新始発の瀋陽北行きK7357次列車。列車種別は「空調快速」。エアコンがあり、停車駅の少ない列車です。

 朝6時半近くになってようやくホテルを車で出発し、阜新駅へ向かいます。競歩の町・阜新を象徴する競歩選手の像が駅前にある阜新市の様子は以前コチラでレポートしたことがあります。駅舎の中に入ると改札口付近は黒山のひとだかり。発車時間間近にならないと通してくれないのが中国の駅であります。

 ようやく改札が始まって、群衆とともにホームに出ます。地下通路を通ってK7357次の待っているホームに上がります。隣のホームにも列車が停まっていますが、これはK7357次列車の45分後に発車する同じく瀋陽北行きの4307次列車。昔ながらの緑色の客車には惹かれ、所要時間もあまり変わらないのでこちらのほうに乗ってみたい気もしますが、瀋陽に着いたらそのまま出勤なので、少しでも到着時間の早いK7357次のほうに乗らなければなりません。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818204115.jpg 阜新駅構内と4307次列車。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818204120.jpg 阜新駅ホームの駅名標

 さて、K7357次列車の阜新発車は07:00。まだ早朝ですが、車内は満席状態。車両は白地にオレンジ色の帯が入った25G型と呼ばれる客車で、「硬座車」と呼ばれる普通座席車のシートもいちおう布のカバーで覆われていてちょっと乗り心地がよさそう。4人掛けと6人掛けのボックスが通路をはさんで並んでいて、中国のローカル列車には珍しくエアコンが効いています。走行距離が176kmと短いので編成も確か「硬座車」のみの8両編成で、15両、20両が普通の中国の旅客列車の中では単編成です。エアコン付きで停車駅の少ない列車は運賃が少々高く、阜新から瀋陽北まで、エアコンがなく停車駅の多い古い車両の4307次列車なら14元(=約200元弱)ですが、K7357次列車だと29元(=約400円ちょっと)で倍もします。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818204149.jpg 「硬座車」の車内。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818204155.jpg シートには一応カバーが。

 K7357次列車のこの日の牽引は、おなじみ「東風4型」ディーゼル機関車の「DF4-2265」。オレンジ色の車体に薄いイエローのラインが入っている姿は何度見てもかっこいい。「CRH」やら「和諧号」やら中国版新幹線が幅をきかせつつありますが、中国鉄路を長い間支え続け、今も堂々と活躍するこの「東風4型」機関車の雄姿にはかないますまい。

 さて、7時ちょうど、K7357次列車は始発駅の阜新駅を定刻に発車です。終点瀋陽北駅までの途中停車駅は新立屯駅の一駅だけで、瀋陽北駅到着は09:48の予定。走行距離176km、所要時間2時間48分の短い列車の旅が始まりました。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818204130.jpg 瀋陽北-阜新、ローカルだなあ。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818204141.jpg ▲僕が乗ったのは先頭車両。連結部にはドアはなく、鉄柵があるだけで機関車が直に見えます。