「あけぼの」で小岩井農場(後編;すみやかなすみやかな)
▲久しぶりにやってきました岩手は小岩井農場。
2005年8月6日、「こまち6号」で盛岡へ。
とにかくこの年の夏は北日本でも異様に暑かったことを覚えています。
「こまち6号」は「はやて6号」と併結されるので新幹線ホームに着くわけですが、大急ぎで降りて駅前バスプールへ向かいます。盛岡駅はよく知っている駅なのでするすると移動して、駅前から08:45発の小岩井農場まきば園経由網張温泉行き秋北バスに乗り換えです。
いい天気~~。
瑞々しい緑がうれしい。
小岩井農場の開設は1891年(明治24年)。共同創始者の名字の頭文字をとって「小岩井」と命名されたというのは有名な話。1901年には、オランダなどから乳用種牛を輸入し、飲用乳・バター・チーズの製造技術の確立を図り、日本の乳業事業の発展に貢献したとされています。
現在の小岩井農場まきば園は、草原や森が広がる中にレストランやアウトドアの活動が楽しめる施設などが広がる一帯や、牛舎、乳業工場が点在し、思い思いに見学や体験、食事などを楽しむことができるようになっています。僕も、小岩井農場に来たときのおきまりのように、まずは牛舎へ出かけ、それから牛行工場を見学して牛乳なんかを試飲して、それから草原のんびり散歩です。
牛舎も見学できます。
岩手と言えば宮沢賢治。若き日の宮沢賢治は小岩井農場が好きで、よく訪れていたそうです。牛舎から乳業工場へ行く途中の林の中に賢治の詩碑があります。「小岩井農場」という詩の一節で、「すみやかなすみやかな万法流転のなかに/小岩井のきれいな野はらや牧場の標本が/いかにも確かに継起するといふことが/どんなに新鮮な奇蹟だらう」と刻まれています。
賢治の詩碑。
昼が近づいてきたこの日の小岩井農場は、高原のはずなのにものすごい暑さ。草原を歩いているときはなかなか日を遮るものがなく、熱射病になりそうなぐらいでした。それでも、みずみずしい緑の草原と森や林、その向こうに見える岩手山、そして真っ青な空という広大な風景を存分に楽しむことができ、久しぶりの小岩井農場は、暑かったけれどとてもすてきな思い出になりました。
草の上に寝転がりたい。