毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

麻婆豆腐レポート⑦(崖がえぐれてます)

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 2007年4月19日、明月峡古桟道。

 唐の詩人・李白をして「蜀道の難きは青天にのぼるより難し、人をして此を聴いて朱顔を凋ましむ(蜀への道は青天へ上るより険しい、話を聞くだけで若々しい表情が老人のように変わってしまうほどに)」、「一夫関に当たれば、万夫開く莫し(関所を守る者がたった一人いさえすれば、一万人がかかっても開かない)」などと詠ませしめたほど険しいこの場所に、約1800年も前に道を築こうとした人々の苦労は計り知れませんが、この切り立つ断崖は今も道行く者の前に同じように立ちはだかっています。

 1950年代に嘉陵江の西岸に鉄道が建設された時も難工事だったでしょう。大部分をトンネルにすることで鉄路はこの難所を切り抜けました。
 一方、東岸に道路を造ろうとした時の工事も困難を極めただろうと思います。だって、断崖が直角に切り立っていてなんのとっかかりもないんですよ。そこへ車が通れる道を造ろうというのだからたいへんです。古人にならって木の杭を打ち込んで板をわたすだけではすみません。

 しかたがないので、四川の人々は、車が通れる幅のぶんだけ崖をえぐりとることにしたようです。さすがやることがでかい。崖をごりごりとくりぬいて道にしちゃうんだからたいしたものです。

 そんなわけで、今では上から覆い被さるような圧迫感100%の道路が通っています。僕はここを徒歩で歩いてみましたが、今にも上から崩れてきそうな感じがして、なんだかひーんやりとしましたよ。
 (冒頭の写真、ぜひクリックしてオリジナルサイズで見ていただけませんか。けっこう迫力あると思うんですよね。)

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▲断崖をえぐりとって造った道が峡谷を越えるまで続く。

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▲道路の対岸は鉄道のトンネルだ。

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          ▲徒歩で歩いてみると圧倒的な圧迫感。

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          ▲崖をえぐるのとトンネルにするのとどっちが簡単なんだろう……

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          ▲街灯が一本もないのだけれど、夜は真っ暗だよね、きっと。