毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

中国買い食い事情(馬総屯のタンタンメン)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818203933.jpg ▲三輪自転車改造屋台、「涼皮・担担麺」のお店。

 いささか行儀が悪いですけれど、僕は買い食いが好きなんです。観光地や浅草の仲見世みたいなところやお祭りの露店などなど。ああいうところで買い求めて歩きながら食べるものってなぜかなんでもおいしく感じます(^^)。

 さて、ここ中国も、屋台系・露店系の食べ物なら事欠きません。オリンピックなんかがあるたびに「街の景観を害するもの」として屋台や露店は取り締まられてしまうため、かつてに比べればその数はかなり減ったかもしれませんが、それでも路地や市場通りなどには露店や屋台が軒を連ね、チャイニーズ・ジャンク(ファスト)・フードを売り歩いています。

 今日ご紹介するのは、瀋陽市の南郊にかつてあった「馬総屯」の露天市場で買い食いした思い出です。

 「思い出」と書いたのは、今やこの「馬総屯」の集落は、ほとんどすべての建物が取り壊され、現代的な宅地(マンション群)として再開発が勧められているからです。今回は、そうなる前の、古き良き青空市場があった、今からちょうど2年前の「馬総屯」集落の買い食い事情をご紹介します。

 北国瀋陽もすっかり春になり、ぽかぽかと暖かい日差しあふれる2007年4月8日、日曜日、瀋陽市街地の南端を東西に流れる渾河を渡って、渾河の南側にある「馬総屯」の集落を訪ねました。瀋陽市街地と「馬総屯」、「蘇家屯」など郊外の町々を結ぶバスが走る通りに面して、その青空市場はありました。バス通りは完全には舗装されていないので、バスやトラックが通るたびに砂埃が巻き上がりますが、そんなことには少しもきにかけず、道路脇にはたくさんの店が軒を連ねています。八百屋、果物屋、香辛料・乾物屋、肉屋なんかが多いでしょうか。野菜は色つやもよく、どれも新鮮でおいしそう。生姜なんか大振りでみずみずしい感じです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818203939.jpg 馬総屯の青空市場。

 テントのような屋根をかけてどたんばたんと小麦粉をこねくり回しているのはなんでしょう。こねた小麦粉をかなり大きな円形に伸ばし、これをこれまた巨大な鉄板の上で焼いています。時々油を塗って、時々ひっくり返して(と言ってもひっくり返すのがけっこうたいへん)、きつね色になるまで焼きます。ネギとか挽肉とかという具のようなものは入れておらず、プレーンの薄焼きパンといった感じでしょうか。焼き上がるとこれを何枚折りかにしてガラスケースに入れるのですが、焼きたてあつあつはおいしそうです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818203954.jpg かなり大きく伸ばします。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818203950.jpg いい色に焼けてきた。

 三輪自転車を改造して屋台にしているのは「涼皮」と「担担麺」売り。「涼皮」というのは、「中国風ところてん」とでも言いますか、緑豆か何かで作った半透明のつるっもちっという食感の食べ物。「担担麺」は言わずと知れた「タンタンメン」です(←全然説明になってないな)。ガラスの囲いの内側を覗いてみると、いちばん大きなたらいに入っているのが担担麺と涼皮。担担麺の麺は手作りだそうですが、かなり太くて黄色いです。あとは調味料類やこまごましたトッピング類が所狭しと並んでいます。

 担担麺を食べてみましょう。注文すると手際よくどんぶりにビニール袋をかぶせ(どんぶりを洗う手間をはぶくためです)、そこへ麺を盛り、ちょちょっとトッピングを載せて、汁をちょちょっとかけてできあがり!見た目はあんまりおいしくなさそうですが(^_^ゞ、食べてみるとなかなかおいしい。日本で「担担麺」と言うとピリ辛ごまだれスープたっぷりの温かいラーメンというイメージだと思いますが、こちらではこんなふうにコールド・スナックとして気軽に食べることができます。ここの担担麺の汁はかなり甘めで、3時のおやつにぴったりって感じですかね。

 こういう中国の青空市場、いくらいても飽きません。一方で、都市の再開発などでこんな場所がどんどん減っていることも確か。再開発もよいけれど、こんな場所は積極的に残してほしいものです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818203944.jpg 担担麺屋さんの舞台裏。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818203927.jpg ▲ぱっと見た目は限りなくおいしくなさそう~な担担麺、実はけっこうおいしいんです(^^)。