流氷求めて「オホーツク」(その12;濤沸湖と「停車場」)
▲濤沸湖に飛来し、好天の日差しを浴びる白鳥たち。
2007年2月25日、濤沸湖。
斜里国道で「流氷ノロッコ3号」を見送ったあとは、すぐ近くにある濤沸湖を訪れます。ここは白鳥の飛来地として有名で、冬にはシベリアから約2,000羽ものオオハクチョウが飛来するそうです。濤沸湖の西岸、北浜駅に近い側には飛来する渡り鳥の観察ができる「白鳥公園」が整備されていて、僕もそこまで歩いていきました。
やあ、いますいます、真っ白な白鳥たちがたくさんいます。白鳥のほかには、カモやカモメもかなり集まっているようです。シーズン中なのでここを訪れる観光客も多く、中にはさっき北浜駅に着いた「ノロッコ号」で来た人もいたかもしれません。
雪原で思い思いに。
さて、白鳥見学を終えたならば、北浜駅へ戻ります。
北浜駅と言えば、駅舎の中にある喫茶店「停車場」。北浜駅の待合室部分の壁は昔から訪れる人々が思い思いに貼り付けて残していった切符や定期券や名刺なんかで埋め尽くされていますが、その待合室の出札窓口の向こう側の、かつての駅事務室のスペースを使って1986年にオープンしたのがこの「停車場」というお店です。
僕が初めて北浜駅を訪れたときは、すでに無人駅にはなっていましたが、「停車場」はまだオープンしていませんでした。その後、「停車場」になってからも何度も北浜駅には足を運んでいますが、お店の中に入ったことがあるのは一回だけです。そしてこのときは、外を歩いて体が冷えてしまったこともあり、久しぶりにお店の中に入って熱くておいしいコーヒーをいただきました。千客万来で窓際の席には座れませんでしたが、「停車場」の窓からは北浜駅のホームと、その向こうのオホーツク海が本当によく見えます。もっとゆっくり、のんびり、ここで過ごしてみたいものです。
「停車場」の窓の向こう。
もうすぐ帰りの列車がやってきます。北浜駅を15:49に出る網走行き普通列車4734Dです。空はまだ晴れ渡っていて、ホームから眺める風景は清々しいです。網走市街地の向こうに見えるのは能取岬でしょうか。線路端に残る雪はもう真冬のそれではなく、春の残雪のようにも見えます。流氷も来ていませんし、もしかすると網走地方にも春はもうだいぶ近づいているのかもしれません。
網走市街から能取岬方面。
▲北浜駅のホームで列車を待つひととき。こういうひとときが好きだから列車の旅はやめられない。