毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

「日本海」でいったりきたり(その26;県境を二度越えて)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818123612.jpg田沢湖駅に滑り込む「こまち12号」。「寄り目」ですね。

 2006年11月28日、朝風呂っていいですよね。

 乳頭温泉郷妙乃湯」での一夜が明けました。温泉宿のいいところは、自宅ではめったに入ることのない朝風呂を堪能できること。この日も天候はすぐれないようですが、朝のひんやりした空気に触れつつ露天風呂に浸かるのは至福です。

 朝食のあとチェックアウトを済ませます。少しびっくりしたのは、一人旅の人がけっこう多いこと。一人温泉宿で過ごすというのは作家みたいでいい感じ。ただ、この宿のように食事が大広間でだと一人ぽつんと食事をしている姿はちょっと寂しそうにも見えます。

 この日も朝からどんより曇りですが、出発しなければなりません。乳頭温泉発09:55のバスに乗って山を下り田沢湖畔を通って、田沢湖駅前には10:42着。ここで11:02発の3012M「こまち12号」に乗ります。2面3線のホームには標準軌のレールが並んでいます。このホームに発着する新幹線「こまち」は一日上下合わせて34本、一方、田沢湖が始発終着のものも含めて発着する普通列車は上下合わせて14本、このうち田沢湖が途中駅の普通列車は上下4本しかありません。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818123608.jpg 標準軌の並ぶ田沢湖駅

 大曲方から「こまち12号」がやってきました。僕はふだんは「はやて」にばかり乗っているので、こうして単独で走る「こまち」はなんだか新鮮です。
 田沢湖を出て隣駅赤渕までの18.1kmの区間田沢湖線の最大の難所ですが、E2系の「こまち」は息を荒げることもなく駆け抜け、途中の長いトンネルをくぐる間に秋田から岩手へと県境を跨ぎます。県境を越え、赤渕駅を通過すればあとは下り坂、一路盛岡までは田沢湖から所要36分、盛岡到着は11:38です。盛岡駅ではドアが開く前に先着の「はやて12号」に連結しますから、三段階の連結作業を車内で体験することができます。

 さて、盛岡では12:26発の「はやて13号」に乗り継ぎます。「こまち」から下り八戸方面の「はやて」への接続はよくありません。すべてが東京を向いているので、それに逆光する方向へ進む人にやさしいダイヤは組まれていないのでしょう。

 「はやて13号」は盛岡を出ると二戸にだけ停車して終点八戸まで33分の道のりで12:59の到着です。いつもならここで接続する「つがる」か「(スーパー)白鳥」へ乗り継ぐところですが、このときは改札の外に出て八戸駅の西口へ向かいます。西口から十和田湖行きのJRバスが一日2本出ているのです。次に乗るのは13:30発の「おいらせ号」。青森からの十和田北線と八戸からの十和田南線では今もJRバスが大活躍しています。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818123618.jpg ▲道の駅「とわだ」で休憩停車中の十和田湖行きJRバス「おいらせ号」。