毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

「日本海」でいったりきたり(その23;雨の角館)

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             ▲角館の武家屋敷通りを彩る晩秋の紅葉。

 2006年11月27日、武家屋敷と紅葉。

 春の新芽が我先にと吹き出しているこの時期に紅葉ネタもどうかと思いますが、お許しください(^_^ゝ。

 秋田内陸縦貫鉄道を走破して角館に到着しましたが、時間はまだ朝9時。まずはひと息入れようと駅前の喫茶店でモーニングセットなどをいただきます。JRと縦貫鉄道の駅舎が並ぶ角館駅前は、おそらく秋田新幹線開通に合わせて整備がされたのでしょう、広くてきれいな広場になっていて気持ちがよいです。駅前にある白壁の大きな蔵は観光案内所なのだそうです。

 さて、コーヒーをおかわりして、雨が上がらないかとしばらく喫茶店の中で待ちますが、天気に好転の兆しはなく、しかたがないので降ったり止んだりのあいにくの天気の中を、まずは角館と言えば武家屋敷、その立ち並ぶ武家屋敷通りへ歩きます。

 武家屋敷通り、初めて訪れましたが、平日の朝、天気は雨とあって他に観光客も少なく、傘を差さねばならぬことを除けば、たいへん静かでゆっくり見物ができます。折しも角館は晩秋の紅葉シーズンとなっており、武家屋敷の古く美しい造りの家屋と今が盛りの紅葉の彩りがあいまって、まさに「東北の小京都」の名に違わぬ風情を見せてくれています。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818123436.jpg 小田野家の庭園。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818123440.jpg 苔の絨毯に降る落ち葉。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818123445.jpg 雨もまた紅葉によく似合う。

 順に小田野家、河原田家、岩橋家とのんびりと武家屋敷を眺めて行きます。建屋の中に入ると、ボランティアの解説員の方がこんな雨の日でも親切に迎えてくれて、丁寧に説明をしてくれたり、質問に答えてくれたりします。
 河原田家では裏庭に井戸を見つけました。さすがに今は使われていないのでしょうけれど、使われていたときそのままの姿で残っています。河原田家は間取りは武家屋敷の形式を踏襲して藩政時代そのものですが、屋根だけは茅葺きではなく切妻木羽葺になっていて、そのおかげで明治の大火では難を逃れたのだとか。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818123453.jpg 雪囲いも済んだ河原田家。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818123449.jpg その裏には井戸も。

 武家屋敷通りをゆっくりと巡り、それから角館町伝承館に立ち寄り、角館の伝統工芸である「樺細工」の歴史に触れました。樺細工、いいものです。僕は自分のために樺皮で作ったブックカバーを求めました。伝承館からもう少し歩くと、桧木内川の土手に出ます。ここは、これまた角館の名を全国に知らしめているソメイヨシノの並木のあるところ。この季節はもちろんその花を見ることはできませんが、その立派な並木の続く様に、春の花咲く季節になったらその美しさはいかほどかと思いました。春、桜満開の頃に来てみたいものです(今年はどうでしょう、弘前の開花予想日が4月22日ということですから、角館の桜もそれと同じくらいでしょうか。)。

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          ▲角館・桧木内川の土手に続くソメイヨシノの並木。