毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

「日本海」でいったりきたり(その22;内陸線完乗)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818123421.jpg ▲三角屋根の阿仁合駅。腕木式信号機もあります。

 2006年11月27日、眠くなってきた。

 鷹巣駅から秋田内陸縦貫鉄道角館行き普通列車105Dに乗って44分、沿線の中心地であり秋田内陸縦貫鉄道の本社所在地でもある阿仁合駅に到着しました。阿仁合では10分の停車です。

 阿仁合駅は「北緯40度線に位置する北秋田市阿仁地域のシンボルの巨大な三角屋根のある駅舎」だそうです。「巨大」とまで言えるかどうかはまあ別として、とんがり屋根の駅舎はたしかに特徴的。跨線橋はなく、線路を跨いで駅舎と1面2線のホームとを行き来します。駅舎の脇には腕木式信号機が見えますが、これはかつて沿線で使われていたのを移してきて保存しているのでしょうか。

 構内には車庫もあり秋田内陸縦貫鉄道車両基地にもなっています。雨にけぶる山々に囲まれた構内引き込み線には急行「もりよし」の使われるAN8900形車両も見えました。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818123417.jpg AN8900形も雨に煙る?

 105Dは阿仁合駅に10分停車したあと、07:50に発車です。阿仁合からは多少乗客が増えるかとも思ったのですが、数人がぱらりぱらりと乗ってきただけでした。
 さて、こちらは夜行明けということもあり、そろそろ眠くなってきました。初乗車だし、次にいつ乗れるかもわからないので、車窓の景色や各駅の様子をしっかりと目に焼き付けたいところですが、あっさりと睡魔のほうが勝ってしまいます。

 はっっっっ、と気がつくと、どこかの駅に停車中。見ると駅名標には「八津」とある。時間は午前9時を回ったところ。だいぶ終点角館が近づいたようです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818123429.jpg 八津駅で交換待ち。

 八津駅の駅名標はきれいなムラサキ色に塗られ、花の絵も描いてあります。あとで調べてみたら、八津駅から歩いて行けるところに、規模、密度ともに国内随一と言われるカタクリの群生地があるのだそうです。駅名標に描かれた花はカタクリの花なのですね。

 2面2線の八津駅でしばし停車し、交換列車を待ちます。やってきたのは角館からのD阿仁合行き普通列車212D。双方が09:09に同時発車です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818123425.jpg カタクリの花がシンボル。

 八津駅を出た105Dは、西明寺、羽後太田と停車して、09:22に終点角館に到着しました。角館を訪れるのも初めてです。行き止まりになった線路の脇を抜けて狭い改札を出ると、そこはなかなか広くて立派な駅前広場。そして、こぢんまりとした秋田内陸縦貫鉄道角館駅の隣には武家屋敷を摸したと思われるJR東日本の立派な角館駅がありました。天気は、雨は今のところ降ってはいませんが、雲行きはかなりアヤシイ。とにかくまずは駅前で大きく背伸びです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818123432.jpg ▲初めて訪れた角館駅はどんよりとした厚い雲の下。