毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

「日本海」でいったりきたり(その21;「鷹ノ巣」と「鷹巣」)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818123359.jpg ▲「日本海1号」、鷹ノ巣に到着。

 2006年11月27日(月)、まだ雨。

 上野なり大阪なりから寝台列車に乗れば、僕が降りるのは青森とだいたい決まっているわけですが、青森の実家にはもう帰っちゃったし、今は「帰省」ではなく「旅行」モードになっているので、前夜大阪から乗った「日本海1号」も青森まで行かずに秋田の鷹ノ巣駅で下車します。鷹ノ巣着は06:42。早いです。まだ眠いです。「日本海1号」の去りゆく写真も撮りたいです。しかしそんな余裕はありません。「日本海1号」の見送りもそこそこに跨線橋を駆け上がり、反対側のホームに下りてもうひと走り。秋田内陸縦貫鉄道鷹巣」駅から06:46発の角館行き普通列車105Dに乗り換えるのです。こんなローカルな駅なのに接続よすぎです。ところでどうしてJRは「鷹ノ巣」なのに秋田内陸縦貫鉄道は「鷹巣」なんでしょうねえ?

 秋田内陸縦貫鉄道、初めての乗車です。かつての国鉄阿仁合線と角館線、そのままにしておけば間違いなく廃線となったであろうこの二線を、両線の終端の間(比立内~松葉)に新線を建設することで一本の鉄道路線とし、1989年に全線開通した第三セクター鉄道です。他の大部分の第三セクター鉄道と同様経営状況は厳しく、廃止の議論も最近喧しくなってきたようです。

 そんな秋田内陸縦貫鉄道に初乗車。平日の朝ですがまだ早すぎるのか鷹巣から遠ざかる方向だからか、車内はガラガラのまま、単行気動車鷹巣駅を出発します。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818123414.jpg がら空きの車内。

 秋田内陸縦貫鉄道の全長は94.2km。105Dの角館着は09:22ですから、この距離を2時間36分かけていくことになります。表定速度は36.2km/hほど。のんびりとした山間のローカル線の旅です。

 秋田内陸縦貫鉄道の主力車両は急行「もりよし」として走っているAN8900形とワンマン対応一般車両のAN8800形。僕がこの日乗ったのはスカイブルーに塗装されたAN8800形の単行運転でした。車内は車端部を除いてクロスシートになっているのでなかなか快適です。

 列車は07:40、沿線の中心地・阿仁合駅に到着です。秋田内陸縦貫鉄道の本社所在地でもあり、構内は車庫などもあり車両基地にもなっています。105Dはここで10分の停車。雨は上がったようなまだなような、周りを取り囲む山々も霞の中にとけこんでいます。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818123408.jpg 一般車両AN8800形。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818123404.jpg秋田内陸縦貫鉄道沿線の中心地・阿仁合駅。雨にけぶる山間の小駅。