毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

「日本海」でいったりきたり(その16;初めての「いよてつ」)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818123203.jpg ▲初めて乗った路面電車じゃない伊予鉄道は700系電車。

 2006年11月25日、「いよてつ」横河原線

 「日本海2号」、「こだま635号」、「しおかぜ5号」と乗り継いではるばるやってきましたのは愛媛県の県庁所在地・松山。松山は僕のお気に入りの場所ですので、このブログの登場率もかなり高い(^^)。特に、「一六タルト」をしのぐ松山の銘菓として僕がこのブログで「労研饅頭」を大いに宣伝していることはご承知のとおり(←オヤ、ご存じない?(^_^ゝ)。

 その松山でこのとき初めて乗ったのが「いよてつ」こと伊予鉄道の鉄道線です。伊予鉄道松山市内やその周辺で鉄道やバスの運行を手がけていますが、いちばん有名なのは坊ちゃん列車に代表される路面電車、すなわち「軌道線」でしょう。これには松山を初めて訪れた当初から何度も乗っています。しかし、路面電車松山駅前から道後温泉方面へ向かうと、次の電停「大手町」のところで、日本国内では珍しいと思いますが、鉄道どうしが平面クロスする箇所があります。その路面電車とクロスしているのが「鉄道線」。郊外まで伸びている電車線で、こちらにはまだ乗ったことがありませんでした。現在「いよてつ」には「鉄道線」が三路線あります。高浜~松山市高浜線(9.4km)、松山市~横河原の横河原線(13.2km)、そして松山市郡中港郡中線(11.3km)です。

 鉄道線に乗る計画は特にないままこのときは松山に行ったのですが、松山でお世話をしてくれた知人が、道後温泉なんかよりいいお湯の温泉があると言って郊外の温泉へ連れて行ってくれることになり、図らずも鉄道線に乗る機会がやってきたのです。
 このとき乗ったのは大手町駅から松山市駅を経由して横河原駅まで。横河原線伊予鉄道の鉄道線の中で最も長い路線。これを乗り通します。車両は元京王5000系の伊予鉄道700系電車の2両編成。住宅や田畑が広がる松山の郊外を実にのんびりと走ります。地方私鉄もいいもんです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818123211.jpg ▲終点横河原駅の改札周り。

 愛媛県東温市にある終点横河原駅がまた木造のなんとも言えぬすばらしい風情の駅舎。「いよてつ」のICカード「ICい~カード」の読み取り機がちょっと違和感がありますが、改札口周りの風情はまさに昔ながらの田舎の小駅。手書きの時刻表、板壁に貼り付いた時計、古びた木の柱、「乗車券拝見」と毛筆で書いた看板、どれも訪れる者をほっとさせてくれるような暖かみがあります。古い軒先に掲げられた駅名標も「駅」の字が旧字体の「驛」だったりしてうれしいじゃありませんか。調べてみると、横河原駅の開業は1899年10月4日。ちょっとアンタ、20世紀どころか19世紀のことではないですか。駅舎が当時のものということはないでしょうけれど、何代目かの古い木造の駅舎がこうして今も現役で使われているというのはうれしいことです。いつもはJRの旅ばかりしていますが、こんなふうに地方鉄道の旅をしてみるのもいいものですね。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818123207.jpg ▲「驛」の字がなんだかうれしい。しかもかなり達筆な駅名標