毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

厳冬の中国最北端をゆく(その21;大雪原へ)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818131146.jpg ▲4182次列車は大森林地帯を抜けて大雪原地帯に入りました。

 2007年1月8日、車窓の変化。

 4182次列車は、7分停車の図里河駅で息を整え、再び動き出しました。昼下がりの車内、特に僕の乗っている、半分は乗務員休憩用の寝台車は、ほとんどの乗客が午睡をむさぼり、静かなことこの上ありません。新帳房13:15、庫都爾13:44、原林14:11、岩山14:40、烏爾旗汗15:15、煤田15:30と停車駅が続きます。

 この間に、車窓の景色には変化が生じました。ずっと大興安嶺の中国屈指の大森林地帯を走ってきた列車は、このあたりからモンゴル高原へと入り、車窓には穏やかな傾斜の続く大雪原が広がるようになります。夏ならば一面が大草原となるだろう果てしのない景色の中を、4182次列車はあいかわらずのんびりと、かたんかたんと走り続けます。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818131159.jpg 夏ならここは大草原。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818131150.jpg 日が傾いてきた。

 日暮れが迫ってきました。大雪原がぼんやりと夕焼け色に染まり始める頃、列車は牙克石駅に到着しました。ここは、ハルビンから満洲里、そしてモスクワへのシベリア鉄道へつながる北辺の大幹線との合流駅。牙克石駅構内に入ると、軌道が突然しっかりしたものになり、線路の数も増えて、幹線に合流したことが一目でわかるようになります。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818131207.jpg 牙克石駅に到着。

 牙克石駅では大勢の下車客がありました。大きな町ですからここで下車する人も多いでしょうし、チチハルハルビン方面へ向かう人もここで乗り換えです。夕闇の迫ったホームを大勢の人がぞろぞろと歩きます。

 ホームの反対側には民家が連なっていますが、その向こうの雪原のそのまた向こうには、煙をもくもくとあげる煙突が見えます。大きな建物も並んでいます。発電所でしょうか。それとも何かの工場群でしょうか。森林ばかりが続いていた車窓から見えるこうした建物群は新鮮に映り、またこの列車の旅がそろそろ終わりに近づいたように感じました。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818131154.jpg 白煙をあげる発電所

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818131203.jpg ▲牙克石駅では大勢が下車。家路を急ぐのか、ハルビン方面へ乗り換えるのか。