毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

晩秋初冬すてきなニッポン(その46;八戸駅にて)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818125633.jpg ▲ローカル列車が肩を並べて。

 2008年11月29日(土)、八戸駅にて。

 「あけぼの」でやってきた友人たちは「スーパー白鳥95号」で函館へと去っていきましたので、僕は2番線から10:12発八戸行き普通列車570Mに乗ることにします。

 友人たちは夕方に函館から戻ってきて我が家へ来ることになっているのですが、その友人たちの大のお気に入りの青森の味、五戸の馬刺しと馬肉汁でもてなすつもりです。しかしこのあたりで馬肉を食べるのは青森県南から岩手県にかけての南部地方の習慣で、青森市以西の津軽地方では一切食べません。ですから青森市内の肉屋ではまず馬肉は手に入りません。そこで、両親も僕も南部生まれなので、時々馬肉が食べたくなると取り寄せなければなりません。

 青森で、いや、大いに自信を持って申し上げますが、日本でいちばんウマイ馬肉は五戸町の馬肉だと思います。嘘だと思うなら、ぜひ五戸に来て食べてみてほしい。五戸は昔から南部駒の産地として有名で、いい馬を育ててきました。その五戸に今は妹が住んでいるので、馬肉がほしいときは妹に頼めば持ってきてくれます。しかし、この日は青森までは来られないということなので、僕が八戸駅まで取りに行くというわけです。五戸町から八戸駅までは車で30分もかかりませんから、八戸駅まで持ってきてもらうのは簡単です。

 というわけで、八戸駅で待ち合わせた妹から馬肉を受け取り、それから八戸市民の台所「八食センター」で昼食と買い物(両親は干しガレイが好きなのですが、これまた青森市内の市場では売ってない)をして八戸駅へ戻りました。根性がないので普通列車はやめて、14:15発の4015M特急「白鳥15号」に乗ってみようかしら(^_^ゝ。

 「白鳥15号」は八戸駅のいちばんはしっこ、5番線からですが、この時間帯、2・3・4番線にはずらりとローカル列車が並んでいます。2番線から順に14:13発鮫行き普通列車441D、これはキハ40ですね。3番線は14時ちょうど発三戸行き普通列車3514M。青い森鉄道区間しか走らないのに車両はIGRいわて銀河鉄道です。そして4番線は13:37に到着した青森からの普通列車572Mの701系が「回送」表示で停まっています。

 一方「白鳥15号」は13:32に到着した4018M特急「白鳥18号」の折り返しなので車内整備が行われます。485系3000番台の顔はいつ見てもびっくりするようなイエローです(^^)。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818125637.jpg 「白鳥15号」485系3000番台。

 やがて乗車が始まりますが、「白鳥15号」に接続する「はやて15号」の八戸到着は14:03着。それまでは「白鳥15号」に乗り込んで来る人はあまりありません。土曜日の昼下がりなんてこんなものでしょう。もっとも、「はやて15号」が到着したあとも、乗り継ぎ客はそれほど多くはなかったのですが……。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818125648.jpg どうにも空いてる白鳥15号。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818125651.jpg 「いなほ」と区別がつかんなあ。

 さて、14時ちょうど、青い森鉄道三戸行き普通列車3514Mが3番線から発車していきました。車両はIGRいわて銀河鉄道IGR7000系。三戸と言えば僕の生まれ故郷。かつては三戸駅から「はつかり」や「ゆうづる」や「十和田」に乗ったものです。それが今や分断された大幹線・東北本線の外に追いやられ、経営難と沿線住民の重い運賃負担に泣く小駅に成り果ててしまいました。そして来年、2010年、東北新幹線新青森開業とともに、青い森鉄道へ変わらざるを得ない八戸~青森間もやがて同じ運命です。新幹線とはいったい誰のためのものなのか?三戸から八戸の高校へ通いたい子どもたちの家計を苦しめてまで手に入れたいものが新幹線なのか。それはちょっと違うんじゃあありませんか思い続けて幾星霜、もう新青森駅開業が目前に迫ってきてしまったのでした……

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818125642.jpg ▲我が故郷・三戸へと走り去る青い森鉄道3514M。