晩秋初冬すてきなニッポン(その43;「北陸」を迎える)
2008年11月27日、上野駅14番線。
終点上野で急行「能登」を降りた僕は、このあと「はやて1号」へ乗り継ぎます。しかしその前に。
急行「能登」に遅れること14分、06:19の定刻で、上野駅14番線に到着列車が入ってきました。金沢からの3012レ寝台特急「北陸」です。せっかくこの時間に上野駅にいるのですから、「北陸」も迎えてあげませんと。
先頭に立ってブルトレを牽引してきたのはEF64-1031。EF64は僕はほとんど近くで見かけたことがないのでとても新鮮です。僕にとってはなじみのあるED75にも似た顔つきは精悍です。クリーム色のアクセントは正面にしかなく、脇には帯も入らず濃いブルー一色というのもシンプルで仕事一徹のきまじめさを感じます。
「北陸」、上野到着。
いかにも仕事師ふうなEF64。
ヘッドマークは日本海の白波におそらく朝焼けであろうオレンジ色で落ち着いた色合い。機関車の陰に見える先頭車両のヘッドマークもオレンジ色が目をひきます。列車からホームに降り立った人々は多くはありません。しかし「北陸」は週末を中心にそれなりに高い稼働率になっていると聞きます。ビジネス需要に加え、「北陸フリーきっぷ」の存在も功を奏しているようです。
なかなかいいHMだと思う。
僕が以前「北陸」に乗ったのはいつだったでしょうか。就職して間もない頃ですからもうずいぶん前のことです。確か初めてブルトレにシャワーが付いて、試しに利用してみたらものすごくさっぱりして気持ちよかったという記憶があります。あれ以来、「北陸」に乗る機会はないままです。EF64-1031の横顔を眺めてみると、「長岡」と書かれたプレートが入っています。長岡運転所所属ということですが、どうしてこの狭いスペースに二文字なんでしょう?ほかに「長野」とかがあるのかな?
もうあと40分も待てば、13番線には2022レ寝台特急「あけぼの」が到着するはずです。この時間帯だけは、往時にはかなわないまでも、夜行列車の終着駅・上野の面目躍如といった感じです。しかしこの日の僕は「あけぼの」を待っている時間は残念ながらありません。
今度の3月の改正で、寝台特急「あけぼの」の上野~長岡間の牽引機がEF64になるという話も聞こえてきています。そうなると上野駅にはまたちょっと新鮮な雰囲気がもたらされることでしょう。今のダイヤではEF64が肩を並べるなんてことはなさそうですが、「あけぼの」にEF64が復活するとなると、いつかそんな並びも見てみたくなりますよね。
「長岡」のプレートが。
▲機関車の陰から顔をのぞかせる先頭車両のヘッドマーク。14番線に降り立った乗客の数は多くない。