香港の乗り物と言えば。
▲香港の乗り物と言えば、世界で唯一の二階建て路面電車「トラム」。
そんなわけで、旧正月元旦の1月26日、香港から日本へ帰ってきました。春節2日の27日にはビクトリアハーバーで大花火大会が開かれるのでそれまで残っていたかったのですが、今回は時間の余裕がなく、元旦だというのに満席のNH910便に乗って香港を離れました。
さて、香港の乗り物と言えば、なんでしょう。
香港には地下鉄、鉄道、ライトレール、バス、路面電車、ケーブルカー、フェリー、ジェットフォイルなどなど様々な公共交通手段がありますが、この中でも「世界で唯一」という冠が付けられる二階建ての路面電車をご紹介しましょう。世界広しといえども、二階建ての路面電車が走っているのは香港だけなのだそうです。香港ではこの路面電車を「トラム」と呼んでいます。
炮台山あたりを行くトラム。
路線は香港島の西は堅尼地域(ケネディ・タウン)から東は筲箕灣(シャウケイワン)までの本線と跑馬地(ハッピーバレー)へ分かれる枝線があり、全長16.2kmで概ね香港島の北側が東西に貫かれています。開通は1904年で今年でなんと105歳。端から端まで乗ると約80分。運賃は一律HK$2(=約24円)で、2階のいちばん前の席に陣取ってのんびり香港島の街並みを眺めて過ごすのは僕の香港での定番コースです。
トラムの2階席。手前が階段。
定番と言えば、北角(ノース・ポイント)行きのトラムに乗るのを忘れてはいけません。
トラムの東の終点は筲箕灣ですが、その途中の北角を起終点とするトラムも運行されています。筲箕灣行きのトラムだと北角の電停も大通りの英皇道(キングズ・ロード)にあってそこをまっすぐ通り過ぎていくだけですが、北角終点のトラムは、ぐるりと回って方向転換するために電停手前を海手に曲がり、春秧道(Chun Yeung Street)へ入って行きます。
この春秧道というのが、上野のアメ横もここまではと思わせるほどの市場通り。両脇には野菜や肉、海産物、食料品、生花などなどなどを扱う小さい店がずらーりと軒を並べ、道路の上にも商品をうずたかく積み上げ、いつも大勢の買い物客でごった返しています。そこへ、北角終点のトラムが突っ込んでいくのです。
折しも僕が行ったのは1月24日、旧暦の大晦日だったので、お正月用の最後の買い出しに繰り出した人々で春秧道はいつにも増して大混雑。道路のアスファルトも見えないほどに買い物客で埋め尽くされていました。さあそこへトラムが入って行くのですからたいへんです。
僕の乗ったトラムがキングズ・ロードから春秧道へ曲がると、前方にはすでに2両のトラムが立ち往生中。あまりの人の多さになかなか突っ込んでいけないもよう。しかし香港トラムはあきらめない。ずり、ずり、ずりとトラムは群衆の中へ割り込んでいきます。だいぶ進んだ前方のトラムはまるで人の海に浮かぶ一艘の小舟のよう。買い物客たちはトラムが入ってこようがおかまいなしに道路を行ったり来たりして買い物に精を出しています。これぞ香港。香港へ行ったら、ぜひ北角行きのトラムに乗って春秧道の喧噪を感じていただきたいと思います。
ああ、やっと着いた、終点北角。しかしそれにしてもすごい人だわ。大晦日の春秧道の賑わいを、トラムと一緒の写真で以下に何枚かご紹介しますね~ヽ(^。^)丿。
前方に2台詰まってます。
人に飲み込まれるトラム。
▲大晦日の春秧道はすごい人出。それでもトラムは進んでいく~。
線路脇も商品でぎっしり。
トラムなんか気にしない~。
なんとか人混みから脱出。
▲人また人をかいくぐって抜けてきた146号車。珍しく何の広告も描かれていないシンプルな車体。