毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

厳冬の中国最北端をゆく(その5;食堂車)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818130529.jpg ▲N41次列車の食堂車にておかず3品、白飯、そして地ビール

 2007年1月6日、N41次列車の食堂車。

 朝ごはん食べてないし、おなか空いたなーと思った頃合いに「食堂車営業始まりました、いらっしゃいいらっしゃい、さあいらっしゃい」という車内放送。食堂車の食べ物は異常に高いのですが、話のタネに3人してでかけます。日本ではもはや気軽に利用することはかなわなくなった食堂車ですし、中国ではどんどん利用しようではありませんか(^^)。

 通常、食堂車は最もグレードの高い「軟臥車」の隣に連結されているので、我が8号車の「軟臥車」から行くのはらくちん。隣の車両が食堂車なのだ。

 食堂車に入ると、通路をはさんで4人掛けのテーブルがずらりと並んでいます。まだ11時前というのに、けっこう大勢の乗客がテーブルを埋めています。いや、あれは乗客じゃないな。みんな制服をきているし、なるほど、腕には「列車長」というワッペンが付いているからあの人たちはみんなこの列車の乗務員たちだ。しかもちょっと階級が上の人たちだから、食堂車でこうやって乗客よりも優先的にちゃんごごはんが食べられるというわけですね(^^)。

 我々も空いたテーブルに就きます。値段はふつうの飯屋で食べる値段と比べるとびっくりするぐらい高いですが、食堂車で食べるということ自体に価値があるというものです。おかずは三品注文しました。どれも似たような感じの料理ですが、豚肉の酢豚風、豚肉と野菜のあっさり炒め、そして瓜とニンジンをメインにした野菜炒め。主食は白いご飯です。もちろんビールもいただきましょう。中国はどこへ行ってもその土地の地ビールがあるというのが楽しみです。この列車の食堂車で出されたのはハルビンビールが製造している「鏡泊湖ビール」。鏡泊湖というのは黒龍江省の東部にある湖で、その近くにはかつて渤海国が存在したとも言われています。夏には避暑で賑わうそうですが、きっと良い水が湧いているのでしょうね。

 さて、41次列車で一夜明けての最初の食事が食堂車で始まりました。流れる車窓の景色を眺めながら「鏡泊湖ビールで」乾杯。そしてがたんごとんというゆっくりとした揺れに身を任せながらのんびり食事です。ああこれぞ長距離列車の旅の醍醐味。そしてニッポンではもはやほとんど味わうことのできないオタカラ的ぜいたく。ニッポンの鉄道よ、あなたたちは何か大切なものを見失ってはいないかな?

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818130533.jpg ▲乗客より優先的にゆっくりのんびり食堂車で食事をする乗務員たち~。