毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

はじめての「SL冬の湿原号」⑨(川湯温泉)

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 2005年1月23日、いよいよ(というかやっとというか)SL間近。

 知床半島ウトロ温泉で朝を迎えました。知床のほうへは学生時代に一度来たことがあるだけですが、今回はどこも観光や散策をする時間はありません。新たに世界遺産に登録されて、今はきっと四季を問わず知床を訪れる人は増えているのでしょうね。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819025134.jpg 宿の窓からウトロ漁港を望む。

 宿の人によれば、1月中には流氷がやってくるだろうとのこと。あと一週間じゃん。惜しいところで流氷を逃してしまった。しかし今回はシーズン最初の「SL冬の湿原号」がメインターゲットであるからして、流氷はまたの機会におあずけです。そのかわりというわけでもないのでしょうが、宿ではたくさん生きたクリオネを見せてもらいました。みんな珍しがるのでクリオネとは絶滅に瀕した稀少生物だと思い込んでいたのですが、宿の人に聞いたら「ちょっと潜るといっぱいいるのよ~」とのことでした。なんか、がくって感じ(^_^ゞ。

 ウトロのバスターミナルから09:20発の路線バスに乗って再び知床斜里駅へ戻り(10:10着)、1998年4月11日に「斜里」から「知床斜里」に改称された駅から10:46発の3727D快速「しれとこ」に乗ります。「しれとこ」もキハ54形の単行。小さめのヘッドマークがついていますが、快速と言っても通過する駅は少ないです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819025138.jpg 釧路行き快速「しれとこ」。

 じゃがいも焼酎「北緯44度」で売り出し中の清里町。その清里町駅では網走行きの3728D快速「しれとこ」との交換があります。最近全体的に焼酎ブームの中、僕は焼酎がからきしダメの日本酒党。焼酎が楽しめるようなオトナに早くなりたいのですが……


https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819025146.jpg 網走行き「しれとこ」と交換。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819025150.jpg ついにたどり着いた川湯温泉駅。

 11:40、川湯温泉駅に到着。いよいよ「SL冬の湿原号」乗車が目前に迫ってまいりました!
 「SL冬の湿原号」は釧路からやってきて14:04に川湯温泉に到着し、ひと息入れたのちに釧路へと折り返します。川湯温泉発は14:45。まだ時間はあります。SL乗車前にちょっと川湯温泉街へ行ってみましょうか。

 駅前から路線バスでやってきたのは川湯温泉街「湯の川園地」。温泉が川となって流れています。湯の川園地には足湯もあって湯気をさかんにたてていたけれど、せっかく来たのだからやっぱり全身で温泉を楽しみたい。しかし大きな温泉旅館や観光ホテルへ立ち寄り入浴させてくれというのはなかなか気が引けて入りにくい(行けば入れてくれるとは思うのですが、小心者なもんで(^_^ゞ)。あれこれうろうろと歩き回っているうちに見つけたのが「川湯公衆浴場」。見た目はしょぼいですが、それでお湯が変わるわけではありません。まさに地元の庶民の銭湯。200円で濃厚な硫黄泉に存分に浸かれます。昼時ということもあり先客はおらず、外の厳しい寒さのことなどすっかり忘れてたっぷり温泉を楽しみました。いいお湯であった。あったまった。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819025155.jpg ▲川湯公衆浴場。200円で存分にあったまれる。

 すっかり温まったあとは再び路線バスに乗って川湯温泉駅へ戻ります。空は徐々に晴れ上がり、青空が広がってきました。いい感じです。
 「SL冬の湿原号」の到着が近づくと、川湯温泉駅がにわかに活気づきます。弟子屈町のみなさんでしょうか、SLの出迎えイベント(子供たちによる出迎え、無料スープの提供など)の準備が始まり、駅舎内にある喫茶店「オーチャード・グラス」もランチ販売のテーブルを出し始めます。「SL冬の湿原号」が川湯温泉まで足を運ぶ日に限って、「オーチャード・グラス」は外売りのランチ作りに専念するので、店内では名物のビーフシチューを食べることはできません。

 さあ、「SL冬の湿原号」を迎える準備は整いました。駅には大勢の人が集まってきています。一年にたった二回だけあるイベントに町の人たちが一所懸命取り組んでいる、そういうのって好きです。自分もだんだん盛り上がってきました。早くこいこい「SL冬の湿原号」!