毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

麻婆豆腐レポート④(中国風ハンバーガーにイチコロ)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819025424.jpg ▲都・長安に停車中のK385次列車。二日目の夜を迎えた。


 2007年4月18日、洛陽→西安

 昼寝から目覚めると、胃腸はまだ重い。まだまだ全力で消化活動中のようです。

 隋・唐など古代中国九王朝の都に定められたことのある古都・洛陽に到着。ぜひ駅名標を写真に収めねばと思うのですが、中国の駅のホームには駅名標が極端に少ない!20両ぶんが収まる500m超のホームに駅名標は二カ所ぐらいしかありません。大都市の駅ではもうちょっとありますがそれでも4、5カ所でしょうか。ですから、自分の車両が駅名標の近くに停車しないとだいたいもう写真はあきらめることになります。
 そんなわけで、洛陽の駅名標も遠い位置のものをむりやり撮りました。ここが、洛陽です(笑)。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819025428.jpg 洛陽。駅名標が見えるかな~?

 次の停車駅は三門峡西。河南省の西部に入って車窓の景色も少しずつ変わってきます。このあたりは黄土高原の南辺で、地面がもろい黄土でできていて、黄土が流出して谷や崖のようになったところが目に入るようになってきます。そしてこのあたりの伝統的住居である「窰洞(ヤオトン)」も時折見かけるようになります。「窰洞」とは黄土の崖に横穴を掘ってその横穴を住居にしたものです。夏涼しく冬暖かい、立派な住まいです。最近はかなり減っているということですが、それでも鉄道沿線からでも時折「窰洞」の入口を見かけます。写真を撮ろうとがんばったのですが、うまい具合にファインダーに捉えられず、残念ながら一枚も撮れませんでした。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819025433.jpg 黄土の土壌が深くえぐれた地形。

 さてここでまたも車掌さん登場。すっかり仲良くなった車掌さん、三門峡西駅を出てしばらくするとやってきて、「『肉挟餅』って知ってるか?三門峡のがウマイんだ。でもホームじゃ売ってないから誰かに頼まないとね」と言いながらその「肉挟餅」を差し入れてくれました。
 「肉挟餅(ろうじぁびん)」、インド料理のナンのように焼き上げた生地に、焼いたビーフを粗く刻んでネギか何かと混ぜて味付けしたものをはさんだ、それはまさしく中国風ハンバーガー。ひとくち頬張ると、\(◎o◎)/!まいうーー。こりゃウマイっ!焼き生地の素朴な味と確かな歯ごたえに絶妙の味付けのパテ、ビールにもずばり合う。一個じゃ足りないっ!車掌さん、もっとオクレっ!!(もちろんもらえませんでしたが(^_^ゝ)。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819025437.jpg 肉挟餅。ウマすぎてピントもボケ気味。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819025442.jpg この日のビールは鄭州地ビール

 ちなみに、ビールは鄭州駅のホームで買った鄭州地ビール「AOKEビール(銀奥克ビール)」。中国には至るところ町の数と同じだけ地ビールがあるような地ビール天国ですから、飲んだことも見たこともない地元のビールを試してみるのも中国旅行の醍醐味です。このビールは大瓶一本6元(=約90円)だったかな。ちょっと高い。

 潼関を過ぎると黄河は北から南への流れに変わるので、列車も黄河から離れ、黄河の支流・渭河に沿って西進を続けます(列車から川が見えるわけではないですが)。「渭河」よりは「渭水」といったほうが日本人にはなじみがあるでしょうか。「渭水東に流れ去りて、何れの時にか雍州に到らん」(岑參)などと詩にも詠まれる渭水に沿って行くとやがて列車は陝西省に入ります。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819025447.jpg 陝西省に入って迎えた夕陽。 

 陝西省省都と言えば、西安。唐の都・長安ですね。このあたりへやってくるのもかれこれ7年ぶりくらいでしょうか。列車は少々遅れており、30分ほどの遅れで夜8時過ぎに西安到着。だいぶ西に来たのでますます日が長く、この時間でも空にはほのかに明るさが残っています。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819025452.jpg 西安駅のホーム。日が暮れた。

 西安を出るとすぐ左側に電飾がぴかぴかというかイルミネーションが施されているというか光り輝く城壁が姿を現します。中国の古代都市は煉瓦積みや土壁造りの城壁で四方を囲まれていましたが、西安はその城壁がほとんどそのまま保存されており、鉄道から見えるのはその城壁の北辺です。

 列車が西安の市街地を抜けて車窓の景色が再び闇に紛れると、9時を回って次の停車駅楊陵鎮に到着する頃、再びなんの前触れもなく消灯タイム。あー今日は昨日より早く消えたなーなどと思いながらそのまま就寝。本当はこれから先の宝鶏からの秦嶺山脈越えが車窓風景のクライマックスなのに、この時間帯では何も眺められません。今度来る機会があったらこのあたりを明るい時間帯に通る列車に乗ろうっと。