毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

晩秋初冬すてきなニッポン(その19;色づく宮島)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818124550.jpg ▲曇天になお鮮やかな宮島紅葉谷公園の紅葉。

 2008年11月24日、色づく宮島。

 しかし今回の宮島はなんと言っても紅葉がメイン。雨も降り続いているし、早くしないと日も暮れかかってくるので、厳島神社の参観はあきらめて、弥山麓を奥へ奥へと歩いて紅葉谷公園へ歩を進めます。案内してくれた連れが、宮島で紅葉をみるならそこがいちばんだと言うのです。

 公園のほうへ歩いて行くにしたがって人影は少なくなり、宮島桟橋厳島神社参道、大鳥居の周りのような賑やかさと混雑がまるで嘘だったかのように、あたりはひっそりとしてきました。雨は依然として降ったり止んだり。すでに薄闇が迫りつつある気配です。

 しかし、その紅葉のみごとなこと!!分厚く低く垂れ込めた雨の下では色の冴えに欠けるのはいたしかたありませんが、それにしてもすばらしい。
 僕が今住んでいる中国の北方は平原が続くばかりでこれといった山や起伏に乏しく、あっても岩山、はげ山ばかりで、広葉樹が茂っている場所はほとんどありません。鞍山市にある千山や本溪市の本溪水洞は紅葉で有名で、秋になるとこぞって中国人が出かけていきますが、日本人の目からすると赤いモミジがちょちょっと色づいているだけでしょぼいことこの上ありません。そのような土地柄から紅葉真っ盛りの宮島にやってきたのですから、僕はもう大感動、大感激です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818124600.jpg 苔の緑との対照が妙。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818124604.jpg 敷き詰められた赤。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818124556.jpg ▲まさに色とりどり。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818124547.jpg モミジでも色合いはさまざま。

 「赤や黄色の色さまざまに 水の上にも織る錦」という歌がありますが、まさに色さまざま。同じ赤や黄色でもその濃淡や色具合はそれぞれに違います。また、常緑樹の緑に混じるとまた異なった風情を醸し出してくれます。あいにくの雨天ではあったけれど、ゆっくりと散歩道を歩き、ときには茶屋でお茶とおしるこでひと息いれたりなんかしながら、宮島ロープウエー紅葉谷駅の手前あたりまで行き、それから神社桟道のほうへと戻ってきました。ニッポンの紅葉を堪能しました。ニッポンはやはりとても美しい国でありました。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818124608.jpg ▲赤と黄色にすっかり覆われた空間もそこかしこに。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818124611.jpg ああ、美しき日本かな。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818124615.jpg ▲「水の上にも織る錦」とはまさにこのことかと思うほど鮮やかに色づいた赤。