晩秋初冬すてきなニッポン(その12;松山~広島航路)
▲松山と広島を結ぶフェリー「翔洋丸」(松山観光港にて)。
2008年11月24日(月)、夜半から雨。
三連休の最終日になりました。前夜は松山市一の繁華街大街道の近くで夕食をとり、駅前のビジネスホテルに泊まりました。明けてこの日は宿を朝5時半過ぎに出ます。早すぎます。眠いです。休日だというのにこんな早起きは異常です。おまけに雨が降っているではないですか。すごく寒いし(T_T)。
この日は朝いちばんの広島行きの船に乗るつもりで、それは松山観光港を06:40に出港するのですが、接続するバスがありません。やむなくJR松山駅前からタクシーに乗って観光港へ向かいます。雨はけっこう本降りです。きついわあ。
6時ちょっと前に松山観光港に到着。ここも新しくて大きい立派なターミナルです。しかしまだ早朝なのでがらーんとしていて物寂しい感じ。外もまだ真っ暗。6時に切符売り場の窓口が開いたので広島までの切符を求めますが、前日スーパージェットに乗ったので、今回は普通のフェリーにします。それが06:40発の1便です。広島までの66.2kmを呉港は経由せずに2時間25分かけて航行します。
松山観光港ターミナル。
各方面への水路が充実。
乗り場はターミナルビルから通路をはるかかなたまで歩いた先のCゲート。遠くて寒い上に、船がいないじゃないですか!再びターミナルビルに戻って待っていると、やがて他の乗船客も集まってきました。利用し慣れた人々はそんなに早くターミナルに来たりしないんですね(^_^ゝ。船もどこかの岸壁から移動してきて、そろそろ6時半にならんとする頃ようやく乗船開始となりました。
この日の船舶は石崎汽船の「翔洋丸」、696トン。1990年就航で、全長は55.90m、航海速力14.2ノット、定員は400名。客室はシート席が多く、座敷席は広いとは言えない区画が二箇所あるだけのようです。乗客の多くはシート席のほうにかたまっていましたが、僕は青函連絡船時代の癖が抜けないのかやはり座敷席を選んでしまいます。早起きしてしまったので、ごろりと横になって二度寝を決め込むつもりです。
「翔洋丸」の座敷席。
もちろん甲板に出ることもできます。出航前後は甲板に出て船旅の醍醐味を楽しみます。「翔洋丸」は定刻の06:40、静かに松山観光港の桟橋を離れました。このまましばらく甲板で出港の余韻を味わいたいところですが、しかし雨がどうにもならず、寒さもあいまってどうにも耐え難く、出港早々に船室へ引き上げます。
松山の岸壁を静かに離れる。
明け切らぬ観光港全景。
航行は極めて順調。揺れもせず、雨にけぶる瀬戸内の島々を眺めながらの航行です。売店でまずは熱いモーニングコーヒーを求め、船内のテレビで朝7時のNHKニュースを見ながらひといきつきます。向かいの区画の座敷席に陣取った若い家族連れは朝からカップヌードルを食べています。こちらの区画には僕の他にはテレビの前に横になって寝ている男性が一人いるだけです。けだるいというか、のんびりしているというか、のどかというか、船旅っていいもんです。
ラウンジもある椅子席。
▲冷たい雨の中を白い航跡を残して瀬戸内海を広島へと進みます。