毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

「小唄寿司」50周年

 12月になりました。今年ももう残り一ヶ月を切ってしまったというわけです。

 11月から12月にかけて、日本の鉄道シーンでもニュースがありました。いちばん大きなニュースは11月30日のO系新幹線のラストランだったでしょうか。僕もTVのニュースで岡山駅や広島駅の様子を見ましたが、たいへんな騒ぎだったようです。一方、こちら青森では、12月1日から津軽鉄道のストーブ列車が運行を始めました。まだ雪景色ではありませんが、これからしばらくストーブ列車での暖かい旅ができます。

 さて、もう一つ、ほんのささやかな鉄道関連ニュース。それは八戸の駅弁「小唄寿司」が今年販売50周年を迎えたのだそうです。
 青森県三戸町で生まれ育った僕にとって最も身近で、よく食べた駅弁、それが八戸の「小唄寿司」です。八戸の民謡「八戸小唄」をモチーフに、三味線の胴を模した容器に鯖と鮭の押し寿司がびっしりと入り、それを三味線の撥の形をした板で食べやすい大きさに切って食べます。酢飯の酢が強く濃い味の、北東北らしいどっしりとした味わいのこの駅弁は、僕にとってなじみ深いというだけでなく、全国のデパ地下などで駅弁大会があればけっこう常連で、評判は全国区ではないかと思います。

イメージ 1 ▲八戸「小唄寿司」の外箱。

イメージ 2 ▲三味線にこだわった中身。

イメージ 3 ▲濃い味の酢飯に鯖に鮭、これを三味線の撥で切り分けて食べる、僕には駅弁のベストです(^^)。

 その八戸「小唄寿司」が発売になってから今年で50年。さまざまに工夫や目新しさを凝らした新しい駅弁が次々に生まれては消えていく中で、50年間も同じ駅弁を出し続け、一定の評価を得続けることは並大抵のことではありますまい。そこで、製造・販売元の「吉田屋」さんは、今年の10月から、販売50周年記念駅弁を出しているとのことで、僕もこれを今回八戸駅の売店で発見しました。

 外箱は、オリジナルのほうの緑とはうってかわって鮮やかなえんじ色。中箱は桐の箱を模した感じの角のかっきりとついた四角い箱。高級感があります。タレントで画家の片岡鶴太郎さんがパッケージをデザインしたとのことで、鶴太郎さんの筆による八戸前沖サバをイメージした絵のプレミアムカード付き。

イメージ 4 ▲これが50周年記念版。

イメージ 5 ▲桐の箱ふうの木箱に入った弁当に加えて、鶴太郎さんの筆によるカードも付いてます。

 フタを開けてみますと、中には棒寿司が三本きれいに箱に収まっています。「小唄寿司」の味である鯖と鮭、そしてもう一本は50周年記念用に考案されたのでしょう、酢飯の上にウニと刻んだシソを載せ、全体をおぼろ昆布でくるんだ上品な棒寿司です。鯖と鮭のほうはもちろんオリジナル「小唄寿司」と同じ味で、濃いめの酢の味が食欲をそそります。一方、50周年記念版限定のおぼろ昆布巻きのほうは全体に薄味で、ねっとりとした昆布の食感と風味の間にウニとシソの香りがからみついてきて、素材の味をそのまま楽しむという感じです。オリジナルの「小唄寿司」も、50周年記念版「小唄寿司」も、どちらもウマイ!どちらもウマイので、どちらも食べてしまいました!(^^) この50周年記念版は今後2年間販売するとのことですので、みなさんも機会がありましたらぜひどうぞ。もしかすると、東北新幹線八戸~新青森駅開業時の新青森行き新幹線の車内で最初に食べる駅弁はこの「小唄寿司」かもしれませんねヽ(^。^)丿。

イメージ 6 ▲なんとも上品に仕上がった発売50周年記念「小唄寿司」。酒の肴にもいいかも?(^^)