毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

中国バス事情(新旧交代;オンボロ編)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818203717.jpg ▲こちらオンボロの249番路線バス。

 中国バス事情、昨日の新車紹介に続いて今日はオンボロ編です。

 南八馬路を始発とするこのバス、いったいいつ投入されたのかわからないほどオンボロなんです。しかし、外観の写真をいくつか並べてみますが、ぱっと見た感じは、古いのは古そうですが車体全体に広告が施されているのでそれほど年季が入っているようには見受けられないかもしれません。足回りやドアの裏板あたりが古びているという程度でしょうか。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818203744.jpg 発車まで休憩中の249番。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818203730.jpg そんなに古くないですかね?

 さて、それでは乗ってみましょう。

 床板もシートも運転席の計器も手すりも内壁もすべてがくたびれた感じがたまりません。車内に入ってみると、いったいいつからこのバスは働いてきたのだろうかという気がしてきます。新しいバスと決定的に違う点は、運転席と前扉ステップの間に大きなドーム上の出っ張りがあること。この中にはもちろん巨大なエンジンが隠れていて、調子が悪そうだと運転手さんがこのドームを開けてエンジンをいじってみたり、過熱してそうだと水を与えたりします。ペットのようなもんです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818203652.jpg 痛みの激しい車内。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818203712.jpg 中央奥がエンジンドーム。

 降車用後部ドア、長年の風雪に耐えてきたせいで、閉まった状態でもあちこち隙間だらけです。下の写真は後部ドアが完全に閉まった状態ですが、ちょうつがいの部分も両扉の合わせ目の部分もまるっきり隙間です。夏はいいのですが、氷点下20℃以下にまで気温が下がる冬にこの隙間は困りものです。車内の温度と外気温が同じになってしまうので凍えます。
 もう一つ下の写真は、ドアが開いている写真です。でも、停車しているわけではありません。バスは走っています。走行中です。少し前に止まった停留所で降車客がありドアを開けたのですが、発車してからも、感応が悪いのかどこかが引っかかっているのか、なかなか閉まらないだけなんです。もうちょっと走ると振動で自然に閉まると思います(^^)。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818203638.jpg 閉まってますが隙間だらけ。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818203645.jpg なかなか閉まらないんです。

 シートを見てみましょう。なんと木製です。椅子の形にした鉄パイプの枠に、座面と背もたれの部分だけ簀の子のような板を打ち付けた椅子はなんとも原始的。しかも木の部分はこれまた長い年月の間にすり減ったり磨かれたりしてなんとも言えぬ色合いに仕上がっています。なにしろサスペンションなど効いていない車体の揺れは激しく、こんな木製のシートでは振動が尾てい骨を直撃です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818203705.jpg シートは木製、響きます。

 それでもって、下の写真は同じバスの車内の別のシート。背もたれ部分の木板がはずれてるじゃないですか!(+。+)アチャー。しかも背中合わせになっているシートの両方とも背板がありません。これでは二人が同時に背中合わせで座ってお互いの背中で支え合うしかありません。しかし、これはまだ座れるだけましと言わねばなりません。時には座面の板のほうがないこともあります。これでは背板のほうが残っていたとしても、座るのは至難の業。
 
 こんなふうにぼろぼろになりながらも249番のオンボロバスは今も残って毎日活躍しています。幹線道路を走るバスではないので新車への置き換えはされていませんが、さすがにオリンピック以降、新車に置き換えられた路線から余剰で出た少し古い車両に置き換えられつつあり、ここまでオンボロなのが見られるのもそう長くはないなと感じています。オンボロだけれどごとごとぶるぶると走り続けるこのバスがやってくると、僕はうれしくなっちゃいます。ほんとはいつまでもなくなってほしくないのだけれど。
 ちなみに、この路線のこのバスも、運賃は新車と同じ均一料金、1元ですヽ(^。^)丿。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818203657.jpg ▲背板がとれていても気にしない気にしない。でもやっぱり修理してもらいたそうかも……