2008年夏、はやぶさ、薩摩三昧(その59;山陽路を上る)
▲広島駅ホームの「はやぶさ・富士」乗車案内。来年には消されてしまうのか……。
2008年7月14日、夜が更けてきた。
下関で牽引機をEF66-49に代えた寝台特急「はやぶさ・富士」は山陽路を元気に東進します。車窓の景色もすっかり暮れて、車内は夜行列車らしくなってきました。この日の我が12号車はなかなか盛況で、もっとがらがらに空いているのを想像していたのですが、上段は空いているものの、下段はほとんど埋まり、車掌さん持ちと思われる1番2番の下段が空いているのみです。なーーんだ、けっこう乗ってるじゃないかと安心して後ろのほうの車両の様子も見に行って愕然!ガラガラではないか。同じ開放式B寝台禁煙車の11号車、10号車は、いずれも1~3人ぐらいしか乗っていない感じです。えーーどういうことーー??みなさん12号車を指定買いですか?「鉄」じゃない普通の乗客もけっこういるような気がするけどなあ??
というわけで、晩ごはんは熊本駅で買い求めたお弁当を食べることにします。「黒豚カツ弁当」と「あなごめし」であります。今回の薩摩の旅では黒豚料理も目標のひとつにしていましたが、枕崎のカツオに負けて、鹿児島市内では鹿児島ラーメンを食べるにとどまり、目標は果たせませんでした。せめて駅弁で黒豚カツを味わうことにしたいと思います。熊本でどうして「あなごめし」かと言われると困るのですが、おいしそうだったから。「あなごめし」と言えば宮島口駅の駅弁がつとに有名ですが、ちょうど広島も近づいてきているし、あなごを食べるにはちょうどよいでしょう(^^)。
熊本駅「黒豚カツ弁当」。
▲二段重になっていてボリュームも十分。カツが入っているほうを手前にして撮ればよかった。
熊本のあなごめしも美味。
さて、宇部、新山口、防府、徳山、下松、柳井と停車するうちに夜も更けてきて、22:35、広島到着です。2分停車なのでちょっとホームに降りてみます。12両編成の先頭なのでホームのだいぶはずれのあたりであまりひとけがありませんが、中国地方の中心都市だけあって午後10時台ではまだまだ人の動きは途絶えず、見渡した各ホームの乗車口にはたくさんの人が並んでいるのが見えます。反対側の5番線ホームに見える115系は、22:41発の広島始発白市行きの1598Mでしょうか。
さて、「はやぶさ・富士」は発車です。このあと尾道に停車し、その次の停車駅・福山の手前で日付が変わります。車内放送では、この日は岡山からの乗車もあるとのことでした。僕はそろそろ寝台にシーツを敷いて、洗顔歯磨きで寝支度です。12号車の車内も下段はだいたいカーテンが閉まったようです。すぐ前が機関車ですから、時折「ひょおっ」という警笛が聞こえます。これからセノハチ越えにさしかかれば汽笛の音は増すのでしょうか。
広島駅で2分間休憩。
▲まだ昼の暑さが残る広島駅ホーム。乗降はほとんど見られずひっそりとした感じ。