毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

2008年夏、はやぶさ、薩摩三昧(その54;鹿児島本線北上)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818122151.jpg ▲「はやぶさ」を牽引するED76-66号機。客車側にもヘッドマークがついてます。

 2008年7月14日、鹿児島本線北上。

 寝台特急はやぶさ」は定刻15:57に熊本駅を出発しました。僕の乗った12号車は先頭車両なので、前方デッキへ行くと、貫通扉の窓越しに、牽引しているED76-66号機を間近に見ることができます。連結面にもヘッドマークがついています。いちいちつけたりはずしたりしなくてもよいということでしょうけれど、「はやぶさ」を牽引する以外に仕業はないのだろうかと思うとちょっと寂しくなったりもします。

 寝台特急、夜行列車と言っても、時間はまだ午後4時。7月の九州は真っ昼間の明るさですし、後ろにはまだわんさと「昼行特急」が控えています。ただ東京へ行くだけなら、熊本発17:28の「リレーつばめ54号」に乗れば博多で最終の東京行き「のぞみ54号」に間に合って、その日のうちに東京に行き着きます。これなら熊本にもう一時間半も長居ができるのです。これでは午後3時台に熊本を出発する「夜行列車」になんて乗らないのが普通と考えてももっともなことではあります。
 しかしながら、実際に「はやぶさ」に乗って熊本を発ち、まだシーツなどをセットしていない開放式B寝台に腰掛けて、あるいは足を投げ出して、あるいは寝そべって過ごすこの時間は、「速いつばめ」「速いのぞみ」「その日のうちに着ける」、そんなメリットを凌駕して、はるかに贅沢で豊かな時間です。何をするでもなく車窓の風景を眺め、時々停車する駅のホームを眺め、ただのんびりと、ゆったりと。こんな旅のスタイルは失われてはいけないものであると改めて強く感じました。

 そこでワタクシ、この豊潤な時間をもっと楽しむため、熊本駅売店で見つけた黒麹仕込の本格芋焼酎「黒田苑」のボトル缶を開栓させていただきます(^^)。田苑酒造は鹿児島は川内の酒造のようです。今回の旅では、慣れない芋焼酎を自分にとってびっくりするぐらいたくさん飲みましたが、締めくくりはこの「黒田苑」。ごとんごとんと心地よい揺れに身を任せながらちびりちびりと芋焼酎

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818122155.jpg ハネでのんびり芋焼酎

 「はやぶさ」は、15:57に熊本を出ると、16:34に大牟田、久留米16:58、鳥栖17:06、そして博多17:32と停まっていきます。ここまで俊足特急の追い抜きなし。熊本では「はやぶさ」の13分後に「有明24号」がありますが、博多に着くのは「はやぶさ」の4分後。その後「はやぶさ」は途中運転停車で「有明24号」に抜かれはしますが、門司まで停車駅はなく、博多18:01発の「ソニック45号」にも抜かれずに小倉に着きます。これなら熊本から門司までヒルネ設定をしてもよさそうな気もしますが、まあ実際は需要は見込めないのでしょう。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818122200.jpg 16:34、大牟田到着。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818122204.jpg 17:06、鳥栖到着。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818122208.jpg 18:37、小倉到着。

 芋焼酎が回ってきたのでしょうか、それとも「はやぶさ」の揺れが心地よすぎたのでしょうか、いつの間にか寝台に寝転がってまどろんでしまったようです。熊本を出て2時間弱、夏の空にも少しは夕暮れ色が混じってきたようです。18:46、「はやぶさ」は門司駅に到着しました。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818122212.jpg ▲そろそろ暮れ色の混じる門司駅に到着。