2008年夏、はやぶさ、薩摩三昧(その38;たのかんさあ)
▲豊玉媛神社。両脇に仁王を従えた古い鳥居の奥に赤壁の社殿があります。
2008年7月13日、篤姫ゆかりの地、つづき。
だいだい漬けとパッションフルーツを手にしてもうしばらく歩くと、鬱蒼と茂った林の奥に山を背にしてあるのは「豊玉媛神社」。豊玉姫命(とよたまひめのみこと)を祀ります。赤壁の本殿は何度も建て替えられてきたのでしょうけれど、現在の建物はいささか粗末。豊玉姫命が祀られた本殿前につづく建物も、何か神事の行われる場所だと思われますが、ただがらーんとしているだけです。
豊玉姫命を祀る本殿。
鬱蒼とした木々に囲まれ。
建物とは違って、鳥居と仁王像はなかなか風格たっぷり。鳥居の両脇に立ついかつい顔の仁王像は1695年制作とされています。明治の廃仏毀釈で壊され、民家の石垣として使われているのが近年発見され、今回の「篤姫」ブームを機に本来の場所へ戻されたということです。
篤姫もこの神社の境内を走り回って遊んだんでしょうかねえ(^^)。
篤姫もこの神社の境内を走り回って遊んだんでしょうかねえ(^^)。
鳥居の両脇に立つ仁王像。
制作から早や400年が経つ。
神社からまた細い道をのんびりと歩いていくと、道ばたにでーんとおわすのは「たのかんさあ」。「田の神様」のことで、道祖神のようなものでしょうか。笠沙の「えべっさぁ」やここの「たのかんさあ」など、地元に根強く残る民俗信仰はどこかほほえましく、好もしい感じがします。長い髪を垂らしたようなほっかむりをまぶったような様子は女性でしょうか。胸の前で手を組んでいるようにも見えます。いったいいつからここで田を守り豊作をもたらしてくれているのでしょう。あぜ道を駆け回って遊んでいた篤姫をも見守ってくれていたのでしょうね。
たのかんさあがいた!
▲もともとは豊作をもたらす「田の神様」。でも道祖神の役割も果たしているのでしょうね。