毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

山梨ワンタッチトリップ(E257系でワイン探訪)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818195847.jpg ▲山梨に育つワイン用ブドウ、カベルネ・ソービニヨン。とても甘いんです。

 昨日まで「山形ワンタッチトリップ」のレポートをお届けしていましたが、今日は一文字違いで「山梨ワンタッチトリップ」をレポートいたします(^^)。

 2008年10月4日(土)、新宿駅

 新宿に来ることなんてめったにないのであいかわらずの人の多さに圧倒されながら9・10番線ホームに上がりました。中央線特急の発着ホームです。11:00発の63M特急「あずさ13号」に乗って出発です。車体のカラフルなマーキングがかわいいE257系電車です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818195833.jpg 11:00発松本行「あずさ13号」。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818195839.jpg ブロック模様は武田菱だとか。

 この日の行き先は甲府です。「あずさ13号」は大勢の乗客を乗せて都心部を抜け、八王子を過ぎるとスピードもぐっと上がって甲斐路へと踏み出します。途中、朝からの大月あたりでの信号故障の影響で5分ほどの遅れが生じましたが、12:36には甲府到着。もう「あずさ」を降りねばなりません。

 この日は、甲府近郊の某ワイナリーを訪ねたのです。収穫期を迎えたワイナリーでは、醸造技師による見学ツアーを催しているところがあり、それにうまく申し込むことができたのです。
 甲府駅前から専用の送迎バスに乗り、ワイナリーへ。入構手続きを済ませるとさっそく見学開始です。再びバスに乗って最初に向かったのはそのワイナリーが持つブドウ畑。ずらりと広がるブドウ畑の向こうに甲府盆地が広がっていてすばらしい眺めです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818195843.jpg ブドウ畑と甲府盆地

 ワイン用のブドウ畑に入るのは初めて。カベルネ・ソービニヨンの畑に入ると、まだ収穫されていない房がたくさん残っています。ブドウの実は小粒で、少しなら食べてみてよいということなのでつまんで口に入れてみると、驚くほどの甘さ!ワインになるブドウがこんなに甘いものだったとは意外でした。隣のほうにはメルロー種の畑も広がっていました。こんなところから、国産ワインでは有名な甲州ワインが作られているのですねー。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818195852.jpg カベルネ・ソービニヨンの畑。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818195903.jpg 本格的な収穫はまだこれから。

 続いて醸造工程を見学します。破砕・圧搾工程、発酵工程と醸造技師の詳しい説明を聞きながら進みます。今まで直には知らなかったワインの作り方と、ワイン醸造に携わる職人さんたちの熱い思いが伝わってきます。
 樽熟成・瓶熟成の場所、つまりワインカーヴは山の斜面から地中へと掘り進んだトンネルの中で、ひんやりとしています。この気温の状態が安定して存在することが熟成の条件です。カーヴの中には樽がずらりと並び、静かに時を重ねています。ここまで見てきた複雑な工程が凝縮されたこの樽の中で、いったいどんなワインが生まれるのでしょう。楽しみです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818195909.jpg 樽の並ぶワインカーヴ。

 このカーヴの一角にある部屋で、見学コースの仕上げ、テイスティングが行われます。僕は、併設されているワインショップで、売られているワインをちょっとずつ味見する程度なんだろうなと思っていたのですが、全然そうではなくて、とても本格的なテイスティングでした。各席に6種類のワインが注がれた6つのグラスが置かれ、その一つ一つについて醸造技師さんから説明をしていただきながら味わうのです。当たり年だったと言われる2005年ものを中心に1992年のシャルドネ瓶熟成品なども含めてじっくり6種類、実によい勉強になりました。というか、これではテイスティングだけで酔っぱらいます。どれもおいしかった~~(^^)。

 山梨でのワイン作りの歴史はまだわずか50年。欧州などに比べればまだまだ始まったばかりで、できあがるワインも、よいものもなくはないけれど、全体としてはまだ比肩すべくもないといった程度です。でも、日本でのワイン作りに情熱を傾ける人たちは大勢いて、よりよいものを目指して真剣に取り組んでいる姿はすばらしく、日本のワインもどんどん成長していくことでありましょう。

 そんなわけで、すっかりいい気持ちで日帰り山梨ワンタッチトリップから帰ってきました。ちなみに帰りは甲府17:26発の3020M特急「かいじ120号」でした。指定席は満席という車内放送のわりには甲府出発時点ではがらがらだったのですが、勝沼ぶどう郷からブドウのかごを下げた人たちが大量乗車。今、山梨はブドウの収穫に沸いているようです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818195914.jpg ずらりと並んだ6種のワイン。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818195919.jpg ▲ただ気に入ったものを飲むのもいいけれど、しっかり解説を受けて飲むワインもまたうまし。