毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

A列車で行こう!(その6;これが硬座だ)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818203501.jpg ▲A185次列車2号車内の車両形式表示プレート。

 2008年8月24日、硬座の車内。

 えー、本日は綏中発瀋陽行きA185次臨時列車をご利用くださいましてまことにありがとうございます。ただいま先行列車待ち合わせのため綏中を少々遅れて発車いたしました。

 列車は8両で運転してまいります。前のほうから2号車、3号車の順で、いちばんうしろが9号車となっているはずです。全車普通座席車です。綏中でご乗車のお客様は全車指定席となっておりますが、次の停車駅・興城からは全車自由席となります。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818203453.jpg 2号車乗降ドア脇の表示。

 それではこれから停まってまいります駅と到着時刻をご案内いたします。

 次は興城、興城です。17:26の到着です。つづいて葫蘆島17:47、錦州18:29、溝帮子19:25、大虎山20:02、新民21:25、終点瀋陽には22:36の到着予定です。途中、乗り換え列車のご案内はいたしません。また、お乗り越し、お乗り継ぎのお客様、車内での精算はめんどうくさいので下車各駅でお願いいたします。ドアは自動では開きません。手動でも開きません。お降りの際は各車両の乗務員が開閉いたしますので、それまでデッキにて辛抱強くお待ちください。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818203505.jpg 連結部越しに3号車方向。

 終点まで、車内販売が乗務いたします。また、乗務員がときどきほうきとちりとりを持って車内の清掃にうかがいます。清掃がまわってきましたら、足を上げて床が掃きやすくなるようご協力をお願いいたします。ひまわりの種などむやみに食べ散らかさないようにお願い申し上げます。また、停車駅が近づきますとトイレは使用できません。発車後、乗務員が鍵を開けるまで、トイレのご使用はご遠慮ください。次は興城、興城に停まります。

 ……というような、とっても丁寧な日本的車内放送はもちろんひとっこともありません。

 列車は延々と続くトウモロコシ畑や稲田を車窓に眺めながらごとんごとんと走ります。夕暮れ時の風が開け放った窓から入ってきて肌寒いほどです。錦州に着く頃には外はおおむね暗くなり、そこからほとんど明かりの見えない闇の中をひた走ります。乗客は増えるでもなく減るでもなく、多くの乗客が6人掛けのボックスのほうに寝っ転がって爆睡しています。うちのグループはと言えば、お昼の残りでもらってきた茹でトウモロコシをぽりぽり食べながら道中を楽しんでいるようです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818203514.jpg世界の車窓から」っぽく。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818203509.jpg ▲硬座車の4人掛けボックスシート。通路を挟んで反対側は6人掛けボックスシート