毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

2008年夏、はやぶさ、薩摩三昧(その16;野間半島)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818120600.jpg東シナ海を南に湾曲しながらのびる野間半島。先端が野間岬。天気に恵まれました。

 2008年7月11日、自転車で野間半島。

 「笠沙恵比寿」から自転車を漕ぎ出し、笠沙野間池漁港をぐるりと回り、南側の海岸線に出ます。

 笠沙野間池の集落は、薩摩半島の北西部にぴょこっと小さく飛び出した野間半島の付け根にあり、北側が漁港になっていて、半島の付け根を縦断する形で数百メートル南へ下るともう南側の海岸に出られるのです。

 南側の海岸に出る手前に、九州電力の野間岬ウインドパーク展示館があります。野間半島では九州電力が10基の風車を設置して風力発電を行っており、そのしくみなどが紹介されている施設のようですが、僕はその脇の上り道を進みます。風力発電の立つ野間半島の上にのぼれば、ここを取り囲む東シナ海が一望できるかもしれないと思い、自転車だというのに上り道にチャレンジすることにしたのです。

 野間半島へは、発電施設の保守などがあるでしょうから舗装道路が通っていますが、道幅は狭く、左手の斜面から深い緑の木々が覆い被さるように生い茂っています。18段変速ぐらいのオフロードサイクルですが、さすがに急な上り勾配は乗ったままでは進めず、自転車を押しながらの行軍です。しばらく上っては木陰で息を整えるの繰り返しで、折からの猛暑ですぐに全身汗びっしょりになりました。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818120631.jpg こんな道を自転車で。

 このあたりは九州電力の野間岬ウインドパーク発電所になっており、風車へ通じる細い道が時々枝分かれします。出力300kW、直径29m、高さ30m(4、6号機は45m)の風車がゆるやかな海風を受けてぶるんぶるんと回っています。道からは野間半島の濃い緑越しに東シナ海の海が美しく広がっているのが見えます。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818120605.jpg 風車と青い海。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818120618.jpg ▲野間半島の北に浮かぶ米島。その脇をゆっくりと遊漁船が滑っていきます。

 こりゃあ暑くてもうだめだ~とくじけそうになった頃、道は広場のような広い場所に出ました。そこから石段で展望台のようなところへあがれそうです。自転車を登り口に置いて、ひいこらと石段を登ります。ようやく上りきったところには四阿があり、その日陰に入って見回すと、真っ青な夏空の下にこれまた真っ青な東シナ海が果てしなく広がっているではありませんか!ここまで上ってきた疲れも吹っ飛ぶすばらしい景色です。吹き抜ける風がまた爽快で、風に吹かれるままにこの風景にしばらく見入ってしまいました。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818120610.jpg 漁港方面と加世田へ続く海岸線。

 はるか北の方に見える陸影は川内方面でしょうか。北東に見える島影は甑島でしょう。南へ向かって湾曲しながら細長くのびる野間半島の先っぽが野間岬です。野間半島の海岸線はほとんどが切り立った崖で、波打ち際もほとんどが岩場です。笠沙の南岸あたりには少し砂浜が広がっているのも見えます。こんな高い場所からでも、水が青く澄んできれいなのがわかります。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818120614.jpg 遠く霞むは川内方面か。

 四阿の日陰に寝っ転がってしばし休憩。ようやく立ち上がって石段を下りてくると、最初に広場だと思ったところは駐車場らしく、「野間岬ウインドパーク」というプレートとクジラの模型を組み合わせた看板がありました。なるほど、この心地良い南国の風に吹かれながら海を眺めることができる、すてきなウインドパークです。もっとも、ここを往復する間じゅう、一台の車にも一人の人にも出会いませんでしたが。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818120627.jpg クジラがおでむかえ。

 事前に調べたときには、更にこの先の灯台のほうへも行けるような気がしましたが、ぱっと見たところ、先へ進める道が見当たりません。まあ道があったとしても、もうかなりへとへとになっているので進まなかったと思いますが…手。
 さて、下りは自転車で一気に駆け下ります。楽あれば苦あり。急カーブの連続なので猛スピードを出しっぱなしにするわけにはいきませんが、かなりのスピードで転げるように下りてきました。海に飛び込んでいくような急坂がまた爽快。なんだか野間半島・野間岬、気に入ってしまったみたいです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818120622.jpg ▲見おろすと半島南岸には少し砂浜もあるのが見えます。水がきれい~(^^)。