日本列島縦断夏の旅(その34;白エビづくしのはじまり)
2006年8月26日、白エビ。
富山ライトレールを競輪場前で降り、競輪場へ向かうおじさんたちとは逆方向へ歩いて行くと、そこには北前船等で栄えた岩瀬の古い町並みが当時の佇まいそのままに続いています。古いお寺の境内の脇をすり抜け、廻船問屋の建物がそのまま残る静かな小路を行くと、創業明治44年という古い料理屋に行き当たります。広い玄関から長い廊下を通って、手入れの行き届いた庭の見渡せる座敷に通され、まずはひといき。酷暑の中を歩いてきたので汗びっしょり。とにかく冷たいビールをいただきます。
店構えはこんな感じ。
ここの名物はなんといっても「白エビ」です。市場に流通するほど白エビの水揚げがあるのは全国でも富山湾だけなのだとか。白エビの唐揚げは富山駅の構内でも売られていますが、刺身など新鮮なものを食べるならはやり岩瀬浜がベストではないでしょうか。
冷たいビールでクールダウンしていると、やがて少しずつ料理が運ばれてきます。近くには富山の銘酒「満壽泉」の桝田酒造店もあるので「満壽泉」といきたい気持ちもありますが、なにせ酷暑のお昼なので今回はビールで通しましょう。
さて、お料理です。白エビを食べるならまずはこれだろう!というのがお刺身。白エビは体長5~8cmだそうですが、むき身にするとさらに小さくなって、一見シラウオのよう。冷凍すれば皮はむきやすくなるけれど味が落ちるので、この店では生のまま丁寧に手で皮をむいているそうです。そうして丁寧に皮をむいた白エビが一人前約70匹も使われるこのお刺身は、小振りなグラスにこんもりと盛られ、甘みを抑えるためのおろし生姜が添えられ、これに少々お醤油をたらしていただきます。つるりとひとくち………お、お、お、オ・イ・シ♪。
▲白エビのお刺身。ひんやりとした食感は真夏に食すにぴったり。