日本列島縦断夏の旅(その27;朝顔)
▲高山の古い町並みに咲く朝顔。
2006年8月26日、宮川朝市へ。
高山の陣屋前朝市をのぞいたあとは、ぷらぷらと歩いてもう一つの朝市「宮川朝市」へ向かいます。
高山陣屋址の北を流れる宮川に架かる中橋をわたって左に折れると、これも高山名物の古い街並みに出ます。城下町の中心、商人町として発達した上町、下町の三筋の町並みを合わせて「古い町並」と呼んでいるそうです。造り酒屋やさまざまなお店も並び、昼間には大勢の観光客でにぎわいますが、民家の連なる通りもあり、そのあたりは早朝ということもあり人通りもなくひっそりとしています。民家も出格子のある飛騨造りと呼ばれる伝統的な建物で、その軒下に用水が流れるのが涼しげです。
陣屋近くの中橋から。
そんな民家の軒下の出格子沿いに、朝顔が今を盛りに咲いているのを見つけました。その花の色は、紫でもなく、青でもなくまた藍でもなく、いったい何色と言えばよいのでしょう。朝顔色とでも呼べばよいのでしょうか。その色のあまりの鮮やかさに、民家の軒先だというのに思わず足を止めて見入ってしまいました。飛騨の伝統家屋の軒先に咲く朝顔、まさに「ニッポンの夏」であります。ひとつ不思議なのは、どの軒先で咲いている朝顔も、花の色は全部同じで別の色のものがありません。飛騨独特の朝顔なのでしょうか。
高山の朝顔はこの色ばかり。
朝顔を眺めながら古い街並みを安川通りで突き当たり、宮川沿いの通りへ渡ると、そこが「宮川朝市」。川を背にしてたくさんの露店がずらりと並んでいて、陣屋前よりずっと活気があります。野菜、果物、桐細工、漬け物、みたらしだんご、さるぼぼ、駄菓子に盆栽までよりどりみどり。売り子のおばさんたちとおしゃべりしながら品定めをして、「まんまどろぼう」なる赤カブの漬け物などをいくつか求めました。
宮川朝市に並ぶ露店。
▲宮川朝市の入口、鍛冶橋とそこを流れる宮川の風景はいかにも涼しげ。夏の朝の散歩は実に爽快。