毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

麻婆豆腐レポート①(瀋陽出発)

 2007年4月17日(火)、瀋陽北駅。

 春の旅行は、四川省へ行くことになりました。

 四川省と聞いて思い浮かぶのはなんでしょう?やっぱり四川料理?それともパンダ?三国志ファンなら魏・呉・蜀の三国時代の中の蜀の国、劉備玄徳や諸葛亮孔明が活躍した場所、唐詩漢詩が好きな人なら李白杜甫が詩作に興じたところ、といったあたりでしょうか。

 中国で「省」という行政区画は日本の都道府県に相当するのですが、四川省とひとくちに言っても、面積は48万k㎡(つまり日本の約1.27倍)、人口は8,595万人という大きさ。これではパンダから劉備玄徳まで全部いっぺんにまわるのはなかなかたいへんです(^_^ゝ。そこで今回は目的を四つにしぼりました。その四つとは、
 ①長距離列車の旅を満喫。
 ②広元で蜀の桟道を訪ねる。
 ③楽山の大仏を参拝する。
 ④元祖麻婆豆腐を食べる。

 というわけで、旅のスタートは4月17日、瀋陽北駅始発の四川省省都成都行きK388/K385次列車に乗り込むところから、このレポートが始まります。初回の今回はいろいろ説明もあるので長くなってしまいますけれど(笑)、すんません(^_^ゝ。

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 ▲たそがれの瀋陽北駅。旅はここから始まる。

 中国では4月18日に大幅スピードアップを盛り込んだ全国ダイヤ改正が行われ、例えば北京から瀋陽北までの703㎞を3時間59分で走りきる列車(なんと表定速度時速177㎞!途中完全ノンストップなので表定速度も平均速度も同じなんですが(^_^ゝ)など、最高速度時速200~250㎞の列車が続々登場し、ほとんど新幹線状態になりました。そのせいで、改正前夜に出発する我がK388/K385次列車も直前に出発時刻が変更になりました。しかし、この列車は今回のスピードアップの恩恵は全然受けなかったので、成都までの所要時間は改正前とほとんど変わらず、2,876㎞を42時間10分かけて走ります。瀋陽北駅発18:05で、成都到着は翌々日の12:15です。

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 上の画像はちょっと見にくいのですが、中国鉄路の時刻表に載っている鉄道路線図に、この列車の経路を赤線で示してみました。右上のほうの瀋陽北からだいたい中国の真ん中へんを東から西へまっすぐ抜けて、ちょっと左下に下がったあたりが成都です。まずはこの列車に乗って、蜀の桟道の最寄り駅である広元駅まで行くことにします。瀋陽北から広元までは2,557㎞、所要時間は36時間33分です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819025256.jpg オイオイ、これが全部乗るのかい。

 最近ずいぶん日が長くなってまだまだ明るい瀋陽北駅2番線ホームには、ライトグレーにオレンジ色の帯をまとった成都行きの列車が入線しています。乗車前にまずは先頭車両へ行ってみると、ちょうど機関車の連結作業中。トップランナーは誰かと待っていると、やってきたのはクリーム色と濃紺のツートンカラーの「東風11型」ディーゼル機関車のDF11-0123。なんと連番ではないですか。こりゃまた幸先がよい。所属は「瀋局瀋段」、つまり瀋陽鉄路局瀋陽機関区。どこまで牽引を担当するのでしょう。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819025300.jpg いよいよ改札を通ってホームへ。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819025304.jpg 機関車の連結を待つ先頭車両。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819025309.jpg トップランナー、DF11-0123。

 隣のホームから17:50発の瀋陽北始発深圳行きT188/T185次列車が出発して行くのを見送ったあと、こちらも18:05、定刻出発!ぷあああーーーーんと長い汽笛一声(壊れたんじゃないかと思うほどホントに長い警笛を鳴らします、中国の機関車は(笑))、終点まで42時間10分の旅が始まりました。

 中国でも列車番号は下りが奇数、上りが偶数ですので、はっきりはわからないのですが、おそらく天津まではK388次、天津から先はK385次で走ると思われます。編成は堂々の19両編成。前のほうから1号車、2号車の順で、いちばん後ろが19号車となっております。1号車は「空調電源車(KD)」、2号車は乗務員専用「硬臥車(YW;日本の三段式B寝台に相当)」、3~10号車が「硬臥車」、11号車が「軟臥車(RW;二段式寝台が向かい合ったコンパートメント。日本で言えば以前の「カルテット」っぽいが扱いや設備はA寝台)」、12号車が「餐車(CA;食堂車)」、13~18号車が「硬座車(YZ;普通座席車)」、19号車が「行李車(XL;荷物車)」、いずれも25G型と呼ばれる客車です。

 乗り込んだのは7号車、硬臥車の11番下段。ここが、広元までの36時間余を過ごすことになるまさに根城です。
 列車は7分で隣の瀋陽駅(旧奉天駅)に到着し、これで車内はだいたい9割程度の乗車率となって落ち着きます。次の停車駅「溝帮子」まで1時間56分。まだまだ旅は始まったばかりです。


 (追伸:中国の旅はなかなか日本と勝手が違うところもあるのでなるべくわかっていただけるように書くつもりですが、もしも「なんじゃそりゃ」というところがありましたら遠慮なくバンバンご質問ください。はりきってお答えします(笑)。)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819025314.jpg 発車前のひととき。