毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

日本列島縦断夏の旅(その2;北朝鮮上空)

 2006年8月19日、北朝鮮上空。

 さて、瀋陽を定刻に離陸した東京成田行き中国南方航空CZ627便は、進路を南東にとって飛び続けます。瀋陽から南東へ飛びますと、やがて遼寧省丹東市の上空に差しかかります。このへんで進路をほぼ真東に変え、そのまままっすぐ……ちょっとちょっとぉっ!そこから真東に進んだら北朝鮮の領空に入るじゃないですか!!

 そうなんです。中国の航空会社ですから、北朝鮮の上空を飛ぶことができるのです。

 丹東市上空から、国境になっている鴨緑江を超えて北朝鮮領空に入り、朝鮮半島の根もとのあたりをまっすぐ東へ飛んで日本海へ抜け、それから南下して日本の領空に至ります。日本の航空会社は北朝鮮の上空は飛べませんから、遼東半島の先端、大連市上空まで南下してから進路を東に変え、ソウル上空を飛ぶルートしか飛べません。これで所要時間に30分は差が出ます。しかもこの日はたいへん見通しのよい絶好の天気で、地上の様子がはっきりくっきり見えます。うーん、北朝鮮北部はほとんどが山地で、平地や集落はあまりないように見えますねえ~。
 日本までの所要時間が短く、北朝鮮の様子まで肉眼で見られるという特典付き(?)の中国系航空会社、なかなか楽しいです(^^)。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818115212.jpg ▲離陸から約40分、北朝鮮上空飛行中。

 さて、それからしばらく飛行を続けたCZ627便は、丹後半島のあたりから名古屋にかけて本州を斜めに横切って太平洋に出ると、伊豆沖から房総半島を回り込んでファイナル・アプローチに入ります。九十九里浜沿いに高度を下げ、犬吠岬のCHOSHI VOR/DMEを目印に左旋回。これはVENUS NORTHと呼ばれる進入ルートで、北側からのランウェイ16Lへのアプローチです。犬吠岬での左旋回時には、九十九里浜のほぼ北端、犬吠岬の手前、屏風ヶ浜に続く刑部岬、飯岡漁港が左手にくっきりと見えました。

 この日ぐらい晴れてくれると、飛行機の旅もなかなか楽しいです。定刻より2分早い12:23に成田空港に到着したCZ627便をそそくさと降りて、羽田空港行きのリムジンバスに乗り換えます。ターミナルの外に出た瞬間、あぢぢぢぢぢぢ~。日本の夏は暑い!卒倒するかと思いました(^_^ゝ。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818115215.jpg九十九里浜刑部岬・飯岡漁港を左に見ながらCHOSHI VOR/DMEを目印に左旋回

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818115220.jpg霞ヶ浦に向かって高度を下げながら北上し、再度左旋回をして16Lに着陸します。